研究課題/領域番号 |
19K23114
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 別府大学 (2020-2021) 早稲田大学 (2019) |
研究代表者 |
赤松 秀亮 別府大学, 文学部, 講師 (30844120)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 検注帳 / データベース / 荘園制 / GIS / フィールドワーク / 日本中世史 / 検注 / 豊後国田染荘 / 現地調査 / 地域社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、検注帳の悉皆的収集・総合的分析を通して、荘園や公領の領主が現地の把握を行う検注という視角から荘園制、ひいては中世社会を捉えなおすことを目的とする。検注帳とは、領主が徴税のために作成した土地台帳であり、豊かな景観情報が記録されている。本研究では、検注帳を悉皆的に収集、検注帳編年目録データベースを構築し、検注帳の作成様式や時期、地域などの傾向を列島規模で分析する。また、2つの荘園を舞台にケーススタディを実施、分析結果を検証する。これにより、領主が検注を行う契機が明らかとなり、その背景にある荘園制との関係を追究することで、日本中世の地域社会で起こっていたダイナミズムの解明が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、中世の荘園・公領における徴税台帳である検注帳および関係史料の収集作業・分析を行った。その結果、中世前期から後期にかけて検注帳の記載方式が転換していくことや検注の実施が集中する時期を把握することができ、中世の社会システムである荘園制の変動との相関に一定の見通しを得た。また、それをもとに旧豊後国の荘園遺跡においてケーススタディを実施し、パンデミック下でのフィールドワークやGISを用いた土地利用状況の復原方法を構想し、中世の土地開発過程を解明するうえで新たな知見を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1:検注帳および関連史料の収集について。関連史料を網羅的に集めることで、検注の実施傾向を全国規模で捉えることができた。また、特定の時期に検注という土地調査が集中した要因を多角的に考察することができた。 2:旧豊後国の荘園遺跡でのケーススタディについて。1980年代から90年代にかけて、フィールドワークによる荘園研究は大幅に進展した。その一方で、現地景観の改変や過疎化の影響により、荘園故地に残された歴史情報は減少しつつある。GISによる土地利用状況の復原作業や、それをもとにした効率的な現地調査により、土地の来歴を探る汎用的な分析手法に到達しつつある。
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