研究課題/領域番号 |
19K23116
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 (2021) 早稲田大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
石井 友菜 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (00849755)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 古墳 / 石釧 / 製作技術 / 三次元計測 / 穿孔技術 / 腕輪形石製品 / 副葬品 / 穿孔 / 材質 / 古墳時代 / 石材 |
研究開始時の研究の概要 |
古墳時代前・中期の墳墓には、石製の儀礼具が多く納められる。中でも貝輪等を碧玉や緑色凝灰岩で模した腕輪形石製品はその代表例で、分布の広域性や形態の共通性から王権によって配布された器物と考えられてきた。しかし、腕輪形石製品がいかに生産され、列島各地の古墳に納められたのか、その仕組みには不明瞭な点がある。本研究はこうした課題の解決の為、デジタル技術を用いた多角的・定量的な分析により、生産集団の抽出を行う。この分析をもとに、腕輪形石製品がいつ、どこで製作され、それらがどのような範囲に、どのような論理で流通するのかを検討することで、列島広域に腕輪形石製品が展開するに至った具体的な仕組みの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、古墳時代前・中期の墳墓に納められる腕輪形石製品がいつ、どこで製作され、それらがどのような範囲に、どのような論理で流通するのかを検討し、その背景にどのような倭王権や地域首長の動きがあったのかについて解明することを目指した。 研究に際しては資料の所蔵機関で実見観察を行い、材質や製作技術に関する詳細な情報を収集した。また、3Dデータと画像解析ソフトを用いた定量的な形状の分析手法を考案し、とくに石釧の穿孔技術について重点的に検討した。これらをもとに石釧の生産体制について検討した結果、古墳時代前期後半に、石釧の大量生産を志向した生産体制の変動があった可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として、石釧の生産・流通体制に一定の見通しが得られたことがあげられる。石釧をはじめとする腕輪形石製品の出現や展開は当時の倭王権の動態と強く結びついており、これらの器物の研究は、当時の社会を検討する上で欠かせない。これまでの研究で最も生産・流通体制について見解の分かれていた石釧に関する新たな知見が得られたことで、この器物を用いた当時の社会構造を検討するうえで新たな情報が取得できた点に、本研究の学術的・社会的意義があると考える。
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