研究課題/領域番号 |
19K23123
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
菊池 達也 宇部工業高等専門学校, 一般科, 講師 (60845709)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 日本古代史 / 隼人 / 律令国家 / 周縁 / 官人 |
研究開始時の研究の概要 |
律令国家が東北、南九州、南西諸島など日本列島周縁領域の支配をいかに拡大したのかという点について、従来は軍事的征圧に重点が置かれてきた。それに対し、本研究は周縁領域の豪族層の協力・理解を得るために当時の政府がとっていた非軍事的政策をより重視し、その一端を解明しようとするものである。その試みの一つとして今回は、南九州特有の姓(大隅忌寸、大隅直、薩摩君)を持つ都で活動していた中・下級官人(便宜上、隼人系官人とよぶ)を取り上げる。彼らの活動の実態や拠点、官人として登用されるまでの過程を文献史料を用いて検証することで、彼らを官人として用いていた政府のねらいと、彼ら自身が担った政治的役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
律令国家が日本列島周縁領域(東北、南九州、南西諸島)の支配をいかに拡大したのかという点について、従来は軍事的征圧に重点を置いてきた。それに対し、本研究は、周縁領域の豪族層の協力・理解を得るために当時の政府がとっていた非軍事的政策をより重視し、それを解明しようとするものである。この試みの一つとして今回は、南九州の地名を冠する姓(大隅忌寸、大隅直、薩麻君など)を持つ、都で活動していた中・下級官人を取り上げた。彼らの活動の実態や拠点(本貫地)、官人として登用されるまでの過程を主に文献史料を用いて検証することで、非軍事的な政策の一端を明らかにしようとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本古代の周縁領域研究は、軍事力をともなう一方的な征服という認識を前提とした分析がなされることが多かった。こうした中央偏重な歴史観は戦後に入ると見直されるようになり、現在では克服がほぼなされたと言ってよい。しかし具体的な支配拡大政策についての検証になると、今なお軍事的征圧の部分が強調され、戦前以来の征服史観が残存しているように思える。この点を解決するためには、政府がとっていた非軍事的なアプローチがいかなるものであったのか、その具体像を一つひとつ解明していき、全体像を構築していく必要がある。本研究を進めていくことにより、この研究史的課題の克服が期待される。
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