研究課題/領域番号 |
19K23124
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道博物館 |
研究代表者 |
田中 祐未 北海道博物館, 研究部, 学芸員 (60840212)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 美術史 / 絵馬 / 船絵馬 / 文化財 / 経年変化 / 地理情報システム / 神社 |
研究開始時の研究の概要 |
北海道沿岸部の寺社には、江戸時代以降に奉納された、船を画題とした絵馬「船絵馬」が現存している。船絵馬には、奉納者の名前や奉納年月日、作者の落款などがしるされており、奉納された地域の歴史や、海運をとおした人や物のつながりを知ることができる。 本研究では、積丹半島周辺地域を対象として次のことを行う。1、地理情報システムを用いて、先行研究をデジタルデータベース化する。2、現地調査を行い、先行研究から変化した部分をデータベースに加える。3、研究により得られた成果を、資料紹介や博物館における展示として発信する。この方法により、寺社に現存する船絵馬の現状を把握し、保存・活用につなげることを目指す。
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研究成果の概要 |
北海道内各地の社寺には、近世以降さかんに奉納された、船を画題とする絵馬「船絵馬」が現存している。本研究では、地域を絞って絵馬所在調査を実施した。具体的には、絵馬1点1点について、調査写真、絵馬に記された情報(奉納者名や居住地、奉納年月日等)、寸法などをデータベース化した。データベースには位置情報を紐付け、地理情報システムを用いて可視化することにした。この方法により、地域による現存数の偏りや奉納年代等の偏りを、定量的に分析することが容易になる。併せて、過去の調査記録写真をデジタル化し、虫損等により現在では確認しえない情報を補完する資料とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
船絵馬には、奉納者名や奉納年月日が記されており、海運をとおした人や物の交流を知るための貴重な手がかりとなるが、北海道全域の船絵馬現存状況は明らかになっていない。代表者は、将来的に北海道全域の船絵馬の全体像を把握することを見据えながらも、本研究では対象地域を絞り、研究方法を検討する作業を行った。まず、先行調査記録をもとに再調査することで、絵馬研究における再調査の重要性を認識した。また、地図上で絵馬分布状況を可視化することは、研究者が分析を行ううえでも、成果を発信する際にも助けとなるが、今回、その方法を実践することによって、今後調査範囲を広げるうえでの土台をつくることができた。
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