研究課題/領域番号 |
19K23132
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 国立民族学博物館 (2020-2021) 奈良女子大学 (2019) |
研究代表者 |
諸 昭喜 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 助教 (80848359)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 病いの変化 / 台湾 / 韓国 / 産後風 / 月内風 / 東洋医学 / 病の変化 / 民俗病いの変化 / 病いの構築 / 漢方医学 / 産後の民俗特有の病い / 韓国の産後風 / 台湾の風湿、月内風 / 伝統医学の変化 / 社会変化と病い |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、東洋医学上の同じ起源を持つ産後民俗特有の病いが現在の台湾と韓国において異なる様相で発症する現象を分析する、病いの変容に対する医療人類学的比較研究である。アジア文化圏では実際多くの女性が出産後に罹患する慢性疾患の原因を産後養生の不十分さにあると考えていると報告される。本研究の研究対象は韓国と台湾における産後に罹患する民俗特有の病いに規定する。この研究は、1)現在にも多く存在している患者の症状と痛みを具体的に分析する基礎調査になる。2)文化の主要な価値観が出産と女性の体を介して投影されていることを明らかする文化研究になる。3)病いの社会的変容と構築を示す病いの社会科学研究である。
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研究成果の概要 |
本研究では、社会の変化に直面した民間(伝統)病の代表として、韓国と台湾の産後の病気の語りに注目した。台湾や韓国では、西洋医学と東洋医学の両方を同等の専門医療として認めてきた既存のシステムを、両者の統合を意図した政策に変えようとしている。そのため、特に韓国東洋医学では、疾病分類を西洋医学のものに統合し、東洋医学は従来のパラダイムを西洋医学に合わせるように標準化することを含め、転機を迎えている。東洋医学におけるこの病気は、韓国では「産後風」、台湾では「月子病」と呼ばれている。一般に広く診断され、治療されてきたこれらの産後の病気は、現在再定義と変化に直面している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人々は病と病の治療について経験的に蓄積された知識を持っているし、その知識は多くの部分は歴史的に形成 されて、文化的背景の中で変化しながら構成される。病に対して理解することはその社会の文化を理解することの核心的要素になりえる。文化による病気の認識 と治療の変化に対する可能性は、同時的分析として同時代の多くの文化を理解することができる可能性を開き、通時的でも疾病の歴史的変化に対しても論ずることができるようになる。したがって疾病の認識と治療の慣行を把握することは一つの社会が共有する過去と現在の文化を理解するのに重要なだけでなく、未来の 再構成のための起草作業になった。
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