研究課題/領域番号 |
19K23138
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 都留文科大学 (2021-2023) 早稲田大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
山越 英嗣 都留文科大学, 文学部, 准教授 (00843822)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | メキシコ移民 / ロサンゼルス / 同郷会 / 贈与 / ゲラゲッツァ / 家族的類似性 / オアハカ移民 / 互酬性 / メキシコ先住民 / 移民 / 同郷者会 / 異種混淆 / メキシコ先住民移民 / コミュニティ / 先住民 / オアハカ / アイデンティティ / カリフォルニア |
研究開始時の研究の概要 |
出身村落との関係を保ち、独自の文化的特性を色濃く残すメキシコ・オアハカ州出身の先住民移民たちは、米国内において「同化をしない文化分離主義者」であると批判を受けてきた。しかし近年、彼らには文化レベルにおいて他のエスニック・マイノリティと連携する姿がみられる。本研究はカリフォルニア州の各都市に存在する同郷者会が主催する祝祭行事を事例として、オアハカ文化をプラットフォームとして他のマイノリティと連携するオアハカ先住民移民の姿を描き出す。閉鎖的・文化分離主義的といったメキシコ先住民移民コミュニティのもつ従来のイメージを変革し、ダイナミックな移民の市民社会を描出することが本研究の目標である。
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研究成果の概要 |
ロサンゼルスのメキシコ・オアハカ州からの移民による同郷会OROは、故郷の祝祭ゲラゲッツァを再現する活動を行っている。一般的に彼らは文化的分離主義者と呼ばれ、その閉鎖性が指摘されてきた。しかし、実際のところその構成員はオアハカ出身者に限られず、韓国人やエルサルバドル人、米国人との間に生まれた二世・三世などが含まれていた。彼らはイベントに集う者を「オアハカ人」と呼称するが、これは血統によるカテゴリーではなく、相互交流のなかで構築されるものであることが分かった。そこでは、類似性や近接性が民族の垣根を超えた連帯を生み出しており、それはウィトゲンシュタインの「家族的類似性」概念を想起させる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的・社会的意義は、「文化的分離主義者」として米国内で批判にさらされてきたメキシコ移民が、じつは彼らの伝統文化を通じて他の民族とも積極的な交流を行っていることを明らかにし、メキシコ移民に付きまとう排他的・閉鎖的イメージを変革することにある。本研究を通して、近年、世界的に弱体化する多文化社会の復権を考える手がかりとする。
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