研究課題/領域番号 |
19K23142
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟県立大学 (2021-2022) 立命館大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
古川 勇気 新潟県立大学, 国際地域学部, 講師 (90844168)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 水をめぐる変化 / 鉱山開発 / 環境汚染 / 民話 / コスモロジー / 景観 / 農民 / アンデス / 水 / 近代化 / アンデス山村 / 環境開発 / 水場の信仰実践 / マッピング / 持続可能システム / 環境問題 / 開発 / 信仰 |
研究開始時の研究の概要 |
アンデス農村における水不足や水質汚染は契緊の課題である。近年同地では、①自由市場での水利権の売買対象化・公共サービス化をめぐる生活変化や、②環境NGOの灌漑事業をめぐる反発、③鉱山開発に対する抵抗運動などが生じている。これらの問題は、これまで各学問分野で個別に議論されてきたが、いずれも近代化・市場経済化に対する伝統的・土着的な慣習に基づく住民による抵抗という図式が強調されている。対して本研究では、これらの問題を当該社会のコスモロジーに照らして地続きに捉える視座を提起することで、従来の二分法的理解を再考し、他の研究者と協働しながら現実的解決策を模索する基盤となるための民族誌的資料を提示する。
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研究成果の概要 |
南米アンデス山村では、①水利権の売買対象化・公共サービス化をめぐる生活変化や、②環境NGOの灌漑事業をめぐる反発、③鉱山開発に対する抵抗運動などが生じている。本研究では、これらの問題を当該社会のコスモロジーに照らして地続きに捉えることを目的とした。 上記の研究目的に基づいて、2020年2~3月、2022年8~9月にペルー北部山村でフィールド調査を実施した。①世界観が宿る景観をGPS端末機器でマッピングし、②現地民話12編を採取し、③住民の20~30名に水の利用と生活との関係について聞き取り調査を行い、④鉱山の影響に対して住民は世界観からどのような感情を抱くのかを分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的・社会的意義は以下の3点である。 ①現地の民話やコスモロジーを採取し、GPS端末機器によって民話の宿る景観をマッピングすることで地理的にコスモロジーの実態を示し、禁忌と捉えられている一部の場所を精査したことに意義がある。②環境開発や鉱山開発は、自然景観を改変するものである。他方、現地では一部の自然景観にコスモロジーを抱いている。そうした景観の改変/保全というせめぎ合いを、住民の感情やコスモロジーに着目して、地続きに分析したことに学術的意義がある。③現地の環境汚染の実態を質的調査を通じて明らかにすることで、今後の環境開発に対して参照点を提示したことに社会的意義がある。
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