研究課題/領域番号 |
19K23150
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 朝日大学 (2020) 東北大学 (2019) |
研究代表者 |
小出 隼人 朝日大学, 法学部, 講師 (60844818)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 寄付 / 信託的譲渡 / 贈与 |
研究開始時の研究の概要 |
民法学において寄付の法的検討は本格的に行われておらず、従前の議論は、三者間での寄付を対象に、贈与の法的枠内で論じており、寄付を信託的譲渡と構成する。しかし、寄付が民法典上の贈与として捉えられるか、なぜ寄付を信託的譲渡(あるいは信託法)によって構成するのが適切なのか明らかではない。また、現代の寄付の類型は多様であり、寄付者、募集者、受益者という三者の位置付けも流動的であることから、従前の議論の対象であった三者間での寄付のみならず、各寄付の特徴を分析し、網羅的に寄付の法的枠組を考える必要がある。 そこで、本研究は、現代における寄付の類型を把握し、寄付の類型に応じた法的枠組の構築を目指すものである。
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研究成果の概要 |
日本法、ドイツ法における寄付の法的構成に関する学説の検討を行なった。その結果、寄付財産については、募集者が破産した場合や、寄付財産が募集者の債権者から差押えを受けるおそれ等の寄付財産の処遇の問題が想定されており、それらに対応するためにも信託的譲渡説、信託法による構成が考えられてきたということを明らかにした。また、日本法、ドイツ法の諸学説の中には、三者が関与する寄付以外の寄付の類型について言及するものがあり、寄付の類型に応じた議論がなされていることも確認できた。さらに、現代における寄付の類型を適切に把握し、寄付の類型に応じた法的構成について前述の学説の議論を参考にし考察する方向性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の意義は、これまで募集者の目的に従った寄付財産の処理義務、およびこれに対応する寄付者の請求権を基礎付けることを中心に学説では議論されていたものの、寄付財産に関しては、募集者が破産した場合や、寄付財産が募集者の債権者から差押えを受けるおそれ等の寄付財産の処遇の問題が想定されており、それらに対応するためにも信託的譲渡説、信託法による構成が考えられてきたということを明らかにしたことである。また日独の諸学説の中には、寄付の類型に応じた議論がなされていることも確認できた。それにより、現代の寄付の類型を適切に把握し、寄付の類型に応じた法的枠組の構築を目指すといった今後の研究の方向性も見出した。
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