研究課題/領域番号 |
19K23154
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 健 京都大学, 法学研究科, 特定助教 (40849220)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 違憲審査基準 / 合理性の基準 / 合憲性推定 / 立法事実 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国の憲法学では、法律の違憲審査を行う手法として違憲審査基準論が提唱されてきた。その中で、一般的な基準の一つとして挙げられるのが合理性の基準である。この基準も違憲審査基準である以上、その基準に基づく審査では、法律が違憲となる可能性がなければならないはずである。しかし、合理性の基準は、違憲となる可能性が他の基準よりも低く、合憲性推定が及ぶともされてきた。 そこで本研究では、違憲審査を行う際の指針や論証すべき立法事実を裁判所及び訴訟当事者双方に対して提示するために、合理性の基準は、その適用段階においてどのような判断がなされるべきなのかを明らかにし、違憲審査基準論の構造の体系的な分析を行いたい。
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研究成果の概要 |
本研究では、一般的な審査基準の1つである「合理性の基準」の適用方法を分析した。まず、合理性の基準には、「最低限の合理性の基準」と「かみつく力をもった合理性の基準」の2種類があるというアメリカの学説における構想に着目して検討を行い、「最低限の合理性の基準」と「かみつく力をもった合理性の基準」の実体論的な相違が、利益衡量の有無にあることを明らかにした。 次に、合理性の基準が適用される場合に訴訟当事者がどのような論証活動を行うべきかという問題に関連して、「合憲性推定」についても若干の検討を加え、「合憲性推定」のもつ意味を整理した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、合理性の基準の実体論的な内容と、合理性の基準の下で訴訟当事者に求められる論証活動を検討し、違憲審査基準の適用方法を明らかにすることで、違憲審査を行う際の裁判所及び訴訟当事者に対する行為指針を提示するという分析視点から出発している。 その研究成果は、わが国の判例が違憲審査基準論を採用することで得られる裁判所の判断の客観性や検証可能性を実践的に示すものであり、実務に対して大きな影響を与える可能性を秘めている点で、重要な意義を有している。
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