研究課題/領域番号 |
19K23158
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 (2020-2022) 中央大学 (2019) |
研究代表者 |
島 亜紀 新潟大学, 教育基盤機構, 特任准教授 (80715417)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 裁判員裁判 / 実証研究 / 質的分析 / 評議 / 公共性 / 市民の司法参加 / 公共性の空間 / 裁判員 / 参審制 / 量刑 / 自由主義 / 共同体主義 / 討議的民主主義 / 公共意識 / 共和主義 / 討議民主主義 / 量的分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、裁判員経験者の発言を実証的に分析することにより、裁判員裁判の「評議」に関する裁判員による認識を明らかにし、その結果に基づき、評議の場の理想的なあり方やそれを可能とするための方策を探求することを目的とするものである。裁判員制度施行から10年が経ち、裁判員候補者の出席率の低下や守秘義務による経験共有の妨げ等の問題点が指摘されている。一方、アンケート調査からは、裁判員になる前には半数が参加に消極的だったにもかかわらず、9割の裁判員がその経験を肯定的に評価していることが分かっている。本研究は、このような肯定的な評価が生じている理由の一つが、裁判員の「評議」での経験にあることを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、裁判員経験者の発言を実証的に分析することにより、裁判員裁判の「評議」に関する裁判員の認識を明らかにすることである。裁判員経験者の発言の質的分析から、裁判員裁判の評議は、1)家族の役割を担う個人や会社の社員としてではなく、市民として参加し、自らの発言が公的な場で他の参加者によって聞かれる場であり、2)参加者同士で様々な意見を交換することによっ て、既存のルールや社会制度を批判的に検討し、自分が抱いていた基準を再考するといった批判的再考が可能となる場であり、3)被告人の更生や法と社会秩序の重要性といった公的な事柄に関する公共意識を育むことができる場であるという結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非公開で実施されてきた裁判員裁判の評議については、その内容を明らかにすることが困難であった。しかし、本研究において、裁判員経験者が意見交換会で語った評議に関する発言を質的に分析することにより、評議という空間がどのような空間であるかについて一定の視点を与えることができたと考えている。
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