研究課題/領域番号 |
19K23159
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
|
研究機関 | 熊本大学 (2020) 立教大学 (2019) |
研究代表者 |
池邊 摩依 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 講師 (90846875)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 当事者公開主義 / 民事訴訟法 / 民事証拠法 / 陳述書 / 当事者公開の原則 / 当事者権 / 立会権 / 証人の書面尋問 / ドイツ民事訴訟法 / 手続法 / ドイツ比較法 |
研究開始時の研究の概要 |
憲法は「裁判を受ける権利」を保障しており、その内容は、訴訟当事者に、手続経過を知り、意見を述べ、証拠を提出する機会を保障する「公正な裁判」を意味すると考えられる。これを受けて、民事訴訟の当事者が訴訟上いかなる権利を保障されるかを明確にしておく必要がある。本研究は、民事訴訟の証拠調べにおける個別具体的な場面で、当事者に保障されるべき権利の内容を解明するため、これまで包括的な研究がなされてこなかった、民事訴訟の手続原則である「当事者公開主義」と憲法上の基本権である「法的審尋請求権」を考察の軸として、先行研究を網羅的に分析し、一般的に適用できる判断基準を確立しようとするものである。
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、民事訴訟手続の当事者に、手続の透明性と手続への影響可能性を保障する原則である「当事者公開主義」の保障内容を解明し、この観点から、従来、法律上の規定がないまま、裁判実務で一般に用いられてきた「陳述書」の利用の在り方を批判的に検討した。理論と実務の双方から検討を加えるという研究手法により、成果として、陳述書の利用について、実務の現状を基礎としつつ、当事者公開主義の内容を十分に保障する運用規律を提言することができた。獲得した成果については、二度の研究会報告を経て、論文を発表した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当事者等の供述を記載した書面である「陳述書」は、民事裁判実務において、幅広く活用されているものの、法律に規定を持たないことから、その適法性や利用方法をめぐって激しい議論がある。現行法の改正作業の際にも言及されたものの、結果的には、何ら規定が設けられず、立法的な解決にも至っていない。 このような状況に直面し、陳述書の適法性を担保できる運用規律の確立が喫緊の課題であった。 本研究は、この問題を初めて「当事者公開主義」の観点から分析し、かつ裁判実務と法理論の双方から考察を行うことで、裁判実務において実行可能であり、かつ法理論上の適法性を確保できる陳述書の運用規律を提言した点に、学術的・社会的意義がある。
|