研究課題/領域番号 |
19K23163
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
佐竹 宏章 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (30844146)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 財産犯 / 詐欺罪 / 背任罪 / 公務員犯罪 / 国公有財産 / 不正受給 / 国庫刑法 / 経済刑法 / 不正受給罪 / 特別背任罪 / 補助金適正化法 |
研究開始時の研究の概要 |
近時わが国では国公有財産の不適正な運用・処分(補助金の不正受給,国公有財産の不当廉売など)が問題になっている。わが国の刑法学では,これらの事案に詐欺罪や背任罪を問うことができると解されているが,個人を被害者とする犯罪である詐欺罪や背任罪の判断方法を,国や地方公共団体に対して用いる場合に,どのような相違が生じるのか十分に検討されていない。本研究は,国や地方公共団体の内部から国公有財産の適正な処分を阻害する類型に背任罪が,その外部から阻害する類型に詐欺罪や個別法の不正受給罪が成立するか否かを検討し,現在の刑事法制が十分に機能しているかについて考察を行い,国公有財産の保護のあり方について提言を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、近年わが国において問題になっている国有財産・公有財産の不適正な運用を念頭において、それに対応する刑事法制が十分に機能しているかについて解釈論的及び立法論的検討を行うものである。具体的には、第一に、国家や地方公共団体に属していない私人が、不正な手段を用いて、外部から、国家や地方公共団体の財産に損害を加える場合に詐欺罪や個別法の不正受給罪が成立するか否かについて検討を行い、第二に、国家や地方公共団体に属する公務員が内部から不適正な処分を行い、国家や地方公共団体の財産に損害を加える場合に背任罪が成立するか否について検討を行う。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究は、個人に対して詐欺罪や背任罪が実行される場合と、国家や地方公共団体に対して詐欺罪や背任罪が実行される場合の解釈論上の相違をそれほど意識してこなかったといえる。本研究は、国家や地方公共団体に対する詐欺罪や背任罪が理論上成立することを明らかにして、詐欺罪や背任罪の解釈論を展開し、現行の刑事法制が国有財産や公有財産を保護するために機能しているかを検証するものである。現在、国有財産や公有財産を不適正に処分する事案が、社会的な注目の的になっており、本研究はこのような社会的課題の解決にも資する研究といえる。
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