研究課題/領域番号 |
19K23179
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0106:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
タンシンマンコン パッタジット 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 講師(任期付) (10844136)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | タイ外交史 / 対外認識 / 歴史認識 / 竹の外交 / タイ外交 / タイ / 東南アジア / 外交文化 / 外交史 / 国際関係史 / ASEAN / 対中認識 / 中国認識 / 自主外交 / 歴史 / 文化 |
研究開始時の研究の概要 |
1960年代以降、タイ政府、軍部、メディア、知識人、財界人などがタイに有利な国際関係を創出するために、それぞれの立場から「大国」中国との距離を模索してきた。中国との地理的、歴史的関係や大量の華僑の影響で、タイ中関係は特別な二国間関係にならざるを得なかった。このような二国関係のあり方を決定づけたのは、国際社会の変容やタイ国内情勢の変化のほか、歴史的、文化的ファクターも重要である。 本研究は1960年代から現在まで、「脅威」と「親戚」の間で揺れ動くタイの中国認識に注目し、対米認識と対日認識と比較しつつ、歴史と文化のファクターを重要な位置に据え、タイ的「自主外交」を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、1960 年代から 2010 年代までの、歴代の指導者、軍部、メディア、 知識人、財界人などの意見を通して、タイ社会における多様な中国認識を追跡することで、その変遷をもたらした要因と中国認識の特徴を明らかにし、対外政策の形成にどのように影響したのかを究明することである。最後の段階において、本研究は対中認識だけではなく、英仏、日本、米国という大国をも視野に入れ、時代を生きた人々の認識からボトムアップで外交史を描きなおすことにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第1に、本研究の最後の成果は「風にしなう竹の外交」という従来のタイの外交言説において主流であり続けてきた考え方を批判的に検討し、「小国意識」というレンズでタイ外交史を読み直すことで、新たな分析枠組みを提示することである。第2に、タイ人の外交に対する意識構造を分析し、伝統的なタイ外交史が無視してきたアクターの主体性に着目することから、東南アジア史、タイ史の深化を図り、歴史上の人物が果たした役割の再評価が可能になる。外交史で無視ないし悪魔化されてきた主体の対外認識の論理に光を当てることで、「想像の共同体」として捉えられがちな国民国家の「違ったあり方」やナショナリズムの重層性を提示している。
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