研究課題/領域番号 |
19K23186
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
岩澤 政宗 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (50842994)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 計量経済学 / 統計学 / 機械学習 / 推定 / 検定 / サポートベクターマシン / 一般化最小二乗法 / サポートベクターマシーン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、機械学習理論を計量経済モデルに融合し、精度の高い推定方法を新たに提案する。 分析対象となる集団のすべてからデータを得るには、多くの時間と費用を要する。このため、集団全体ではなく、一部からのみデータを抽出し分析を行うことが多い。しかしこの時、集団の一部のデータしか使わないことによる誤差が生じる。有限標本を用いた分析の制度を高めるには、この誤差から生じる影響が少ない分析手法を適用することが望ましい。本研究では近年発達している機械学習理論を計量経済モデルに融合することで、有限標本の下で精度の高い推定方法を新たに開発し、その性質を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、機械学習理論を計量経済モデルに融合することで、標本サイズが十分ではない場合でも精度の高い推定を行うことができる方法を提案した。分析対象に関する情報を持つ別のデータを用いて、データが十分に存在しない事象に対する分析精度を改善するという着想を実現するために、計量経済モデルのパラメータの推定方法に機械学習の分野で発展している移転学習の手法を融合させた手法を提案した。提案した手法の妥当性を示すために、推定量の理論的性質を明らかにした。具体的には、提案した推定量の漸近的性質(一致性と漸近正規性)を示し、有限標本における推定量の評価を行い、既存の手法と比べて、推定精度を改善できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分析したい事象が発生した直後など、実証分析において、限られた標本サイズの下で可能な限り精度の高い分析を行いたいことは多い。政策評価や経済指標の予測など、経済分析のためのモデル推定は、その誤差が1%大きくなるだけで甚大な経済的損失につながる可能性があるため、有限標本の下でいかに精度の高い推定を行えるかは重要な問題であると言える。 本研究では、このような状況下において、既存の手法よりも制度の高い分析ができる可能性のある手法を提案した。実証分析をとおした社会的意義だけでなく、分析手法の理論的な発展という意味で学術的な貢献をした。
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