研究課題/領域番号 |
19K23191
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
高田 直樹 横浜国立大学, 先端科学高等研究院, 特任教員(助教) (60846947)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | イノベーション / 技術革新 / 発明 / 逸脱行動 / 発明者 |
研究開始時の研究の概要 |
組織における逸脱行動が技術革新を促進するという従来の主張の論拠は,主として逸話的事例であり,そこでは逸脱行動が「些細な発明」をもたらす可能性は認識されてこなかった.この意味において,逸脱行動が技術革新を促進するという命題は十分に検証されていないと言える.そこで本研究では,組織における逸脱行動は技術革新を促すか,逸脱行動が技術革新を促す条件とは何か,をリサーチ・クエスチョンとする.
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研究成果の概要 |
組織における逸脱行動と技術革新の関係を明らかにすることを目的として,逸脱行動の指標化に取り組み,特許の質との関係を分析した.ここでいう逸脱行動とは,非行や反社会的行動とは異なり,発明者による建設的な逸脱行動(組織のために,上司の指示に背くこと)を指す. 逸脱行動を指標化するには,組織における発明者の孤立と,組織的に設計された事前の自由度という2つの点を捉える必要がある.これらを一部取り込んだ指標による分析からは,中程度の逸脱行動,すなわち本来のタスクから完全に離別しないものの,部分的にそうしたタスクを飛び越えた業務が革新の芽に繋がる可能性が見いだされた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題は,大規模組織におけるイノベーションの源泉というトピックに逸脱行動という新たな視点を持ち込むことによって,これまで十分に解消されてこなかった「勝手な発明」という現象を理論的に取り扱う先鞭を付けた.すなわち, 発明者による逸脱行動は,硬直的な大規模組織でイノベーションが発露するための重要な源泉であると安易に捉えられてきた.しかしながら,この言説は定量的な検証を踏まえたものではない.社会的な通説の検証によってイノベーション・マネジメントの神話を解きほぐすことは,人々の混乱を解消することに繋がるという意味で,社会的にも意義あるものと考えられる.
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