研究課題/領域番号 |
19K23203
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
劉 念麟 東京理科大学, 経営学部ビジネスエコノミクス学科, 助教 (90610923)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 金利の期間構造 / Fourier級数法 / リスク管理 / 確率過程 / 国際情報交換 |
研究開始時の研究の概要 |
金利の期間構造の理論は、金利が残存期間にどのように影響を受けるかを説明しようとする理論である。主成分分析を用いた従来の解析によれば、スポットレートと呼ばれる現在から一定期間後に満期となる債券の利回りのダイナミクスを説明するためには、高々第三主成分までを用いれば十分であるとされている。これに対して、研究代表者のこれまでの研究で、フォワードレートと呼ばれる将来を起点とし、一定期間後に満期となる金利については、そのダイナミクスを説明するためには第三主成分まででは足りないということを示していた。 本研究は、その現象を説明するモデルを構築し、そのモデルに基づく新たなリスク管理手法を提案することである。
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研究実績の概要 |
高頻度データの解析に様々な手法が提案されている。本研究においてMalliavin-Mancinoが提案したFourier級数法に基づくボラティリティ推定における部分的にノンパラメトリックな手法を用いて研究を重ねてきたが、Malliavin-Mancinoによる共分散行列の推定量が正定値でない問題が生じたため、正定値性を保つ統計量の構成に取り組んだ。 本年度は、Malliavin-MancinoによるFourier級数法の特徴を用いて構成した正定値性を保つ統計量に基づき、シミュレーション実験を行った。構成した統計量は、時間の分割数とFourier級数に関わる値との2つのパラメータに依存する。そして、モデル本来のボラティリティ行列と本研究での構成した統計量によるボラティリティ行列との誤差は、パラメータの選び方による。この誤差を最小限に抑えるため、シミュレーションを用いてパラメータの最適な選び方について評価を行った。これらのシミュレーション実験は、複数のモデルの下で同様に行い、得られた結果を論文に纏め、投稿中である。 また、金融実務において、リスク管理上の必要性からスポット金利のデータに対する主成分分析がよく行われており、大きな次元減少が観測されるが、フォワード金利に対する次元減少が観測されないことをさらなる実証実験を行うため、準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
産休・育休取得に伴い、一時的に研究を中断していたが、Malliavin-MancinoによるFourier級数法に基づいて改良した統計量の収束性について、シミュレーション実験を行い、結果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
申請書の計画に沿って研究を進める。
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