研究課題/領域番号 |
19K23207
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
矢島 猶雅 早稲田大学, 政治経済学術院, 研究助手 (10844532)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 表彰 / 温室効果ガス削減 / 計量分析 / 金銭的報酬 / 非金銭的報酬 / 気候変動対策 / 表彰制度 / 都道府県レベル / 温暖化対策 / インセンティブ |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化問題は、典型的な市場の失敗である。これを解決するためのインセンティブ付けとしてよく用いられるのが、「報酬」である。日常でも努力促進を目的としてよく見る報酬(表彰や賞金)は、東京都の排出量取引制度など、温暖化防止政策でも取り入れられている。しかし、報酬は必ずしも努力や成果を出すことを促さない可能性が指摘されている。 本研究は、報酬が温暖化対策を促すかを統計的手法を用いて検証することを目的とする。注目するのは、日本の都道府県で実施される、事業所の温暖化対策の取り組みを表彰する制度である。主に、 温室効果ガス排出量の削減効果を対象に、政策の有効性を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究は、報酬が温室効果ガス削減のインセンティブとなるかを定量的に明らかにすることを目的とする。都道府県が実施する、事業所の優秀な取り組みを表彰する制度に着眼し、表彰(非金銭的報酬)がCO2排出量を削減するかを回帰分析した。分析の結果、表彰制度を実施している場合、製造業部門のCO2排出量が削減されることがわかった。また、金銭的な報酬(低利子融資を受けられるなど)の付加や、エネルギー監査プログラムと組み合わせることは、必ずしもCO2排出量を削減しない可能性が示唆された。この結果は、温室効果ガス削減を目的として表彰をする場合、非金銭的報酬だけにする方が費用対効果がより高い可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の分析は、温室効果ガス削減の促進において、都道府県の表彰制度が有効であったことを示唆した。まだ表彰制度を未実施の都道府県が実施することで、低コストでさらに気候変動対策が進むことが期待される。また、分析に課題はありつつも、非金銭的報酬と金銭的報酬を区別し、包括的なパネルデータを用いてその効果を検証した研究は少なく、本研究の意義は大きいと考えられる。
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