研究課題/領域番号 |
19K23212
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪学院大学 (2022) 神戸国際大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
坂本 淳 大阪学院大学, 経済学部, 講師 (90845025)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 金融 / 資産価格理論 / ナイト的不確実性 / 国際的共変動関係 / 感染症数理モデル / ファイナンス / 経済動学 / 実証分析 / 資産プレミアム / 国際間共変動 / 実証研究 / VAR |
研究開始時の研究の概要 |
2国間モデルを採用し国際投資家と、それぞれの国に国内投資家が存在するモデルを考える。国際投資家は、両国の資産を保有しているので、一方の国のリスクやナイト的不確実性の変化によるポートフォリオ・リバランスを通じ、他方の国の資産市場に影響をもたらすと考えられる。 理論研究から得た含意より、リスクとナイト的不確実性が国際投資家の行動を通じて他国に波及するメカニズムや、波及の先行、遅行関係などが明らかになる。これら理論モデルから得た条件や制約式を、資産収益率やファクターからなる変数ベクトルを用いた計量モデルに当てはめ、無制約VARモデルとのWald検定を行うことにより、理論モデルの妥当性を検証していく。
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研究成果の概要 |
本研究は、投資家が将来実現する金融資産のリターンについて、その確率分布でさえ未知であるという状況(ナイト的不確実性)の、国際的な波及構造について分析を行ったものである。本研究の主要な部分については、現在分析フレームワークが構成され、結果を得られる段階に入りつつあり、補助期間終了後に執筆が始まることを予定している。 また、本研究の派生として、以下の3本が補助期間中に公刊論文として発行されている。①感染症数理モデルを組み込んだ資産価格モデルの開発と実証研究、②ナイト的不確実性が存在する市場での厚生分析、③リターン間の共変動回数に基づく資産プレミアムの実証研究
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の主要な部分は、ナイト的不確実性が、国際的な資産リターンの共変動を駆動する重要なファクターの一つであることを明らかにし、投資活動における外国資産の適切なリスク評価を可能にするものである。 また、派生の研究で感染症数理モデルを、資産価格決定式に適応した研究では、感染拡大初期において、罹患率や回復率といった感染症パラメータや、政府の行動が資産価格に与える影響を分析している。この研究によって、投資家に感染症流行時の資産動学に対する妥当な期待形成を促すことが可能である。 さらに、もう一つの派生研究である、ナイト的不確実性の緩和による厚生分析によって、金融教育の有効性や、政策提案を行っている。
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