研究課題/領域番号 |
19K23214
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
原口 健太郎 西南学院大学, 商学部, 准教授 (40846523)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 地方公会計 / 統一的な基準 / 地方債 / 債券分析 / 信用リスク分析 / 地方債市場 / 公会計 / 意思決定有用性 / スプレッド / 地方公共団体 / 財務健全性 / 会計学 / 経営分析 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国の地方公共団体は,その設立以来,数十年にわたって単式簿記・現金主義の会計の仕組みによって運営されてきたが,総務大臣通知に基づき,2017年度決算から,統一的基準に基づく複式簿記・発生主義の財務諸表(公会計財務諸表)が導入されることとなった。この公会計財務諸表の導入がどのような影響をもたらすのか,特に地方自治や金融政策の観点から検証する必要があるが,これまでそのような研究はほとんどなされてこなかった。本研究は,公会計財務諸表が有する財務健全性の測定可能性に着目し,当該健全性と地方債市場における金利等の情報との関連性を調査することで,統一的基準導入の意義の解明を図るものである。
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研究成果の概要 |
本研究プロジェクトは,わが国における地方公共団体が開示する統一的な基準に基づく公会計財務諸表が,地方債市場に対して意思決定有用性を有しているか否かを,地方債格付や地方債金利情報等のデータを用いて実証的に検証するものである。 研究の結果,わが国の地方債金利情報は,統一的な基準に基づく公会計財務諸表の情報の一部と有意な関連性を有することを明らかにした。この結果は,公会計と地方債との関係性に関する一層の研究の必要性を示唆するもので,今後の研究展開を図るうえで重要な手がかりとなるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
わが国の地方債市場は国際的にも巨大な規模を誇り,地方債は非政府保証債であるが,そのリスクは事実上国債と同等であるとする「暗黙の政府保証論」が存在する。しかし一方で,地方債の銘柄間には金利差が存在する。この金利がどのように定まるか,統一的な見解は得られていなかった。公会計情報が金利差に影響するとすれば,公会計情報がどのような意義を有するのかという観点と,地方債金利がどのようにして定まるのかという2つの学術的観点から重要である。
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