研究課題/領域番号 |
19K23239
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 (2022) 神戸国際大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
齋藤 雄太 北海道大学, 経済学研究院, 講師 (80847822)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 通貨同盟 / 金融政策 / 時間非整合性 / 退出 / インフレーション・バイアス / 不確実性 / 期待 / 経済危機 / 金融市場 / 通貨統合 / 政治経済学 / 資産価格 / 集団的政策決定 / 時間整合性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は通貨統合における退出オプションの存在が、加盟国による集合的な金融政策の選択に与える影響を分析する。ギリシャ危機やBrexitなど、経済通貨統合からの退出行動は欧州 において大きな社会問題になっているが、経済学の観点から言及できることは限定的である。ある国がどのような状況下で合理的に通貨統合を退出するのか。ある国の退出行動は通貨統合内の金融政策運営にどのような影響を与えるのか。退出行動を防ぐために、通貨統合はどのような制度を備えるべきであるか。このような素朴であるが時局的な問いに関して、定性的な答えを提示することが、本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
本研究の主な成果は以下の2点である。 (1) 途上国と先進国から構成される通貨同盟モデルを用い、各国の通貨同盟からの離脱の確率まるほど、最適金融政策を実施するためには通貨同盟内における途上国の割合を高くする必要があることを示した。 (2)ある加盟国が通貨同盟から離脱をした場合、外生的な社会的コストを支払う必要があるようなモデルを考えた。退出国は裁量的な金融政策を実行することができるが、Barro and Gordon (1983)のような時間非整合性問題に陥ってしまう。このモデルにおいて、最適な金融政策はどの国も通貨統合から離脱する確率がない場合のみに実行可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、通貨同盟における退出オプションの存在が、加盟国の集団的な金融政策の選択に与える影響を分析したものである。ギリシャ危機やBrexitなど、経済通貨同盟からの離脱行動が欧州で大きな社会問題となっていたが、経済学的な観点から言えることは限られていた。本研究は、ある加盟国の離脱やその可能性の上昇は、通貨同盟における通貨の期待インフレ率に影響を与え、インフレーションバイアスを引き起こす可能性があることを示した。
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