研究課題/領域番号 |
19K23240
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
加藤 眞理子 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (30613228)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インド / 移住 / 移民 / 送金 / 社会的後進層 / 貧困層 / 階層 / Covid-19 / 日本 / 差別 / Covid / 経済成長 / 分配経路 / スティグマ / 海外移民 / 国内移民 / ローカル / 国際移動 / 高技能移民 / 経済動機 / 学歴 |
研究開始時の研究の概要 |
成長と格差は移民と不可分の関係にあり、近年では経済の成長を上回る速度で格差を拡大させる要因である一方、移民は社会的に異質な集団として認識され、国内の近接・同種の移民であっても所属する地縁と血縁に基づくコミュニティによって階層化される。 わが国でも、移民受容の拡大過程に直面しており、インドと日本との相互発展的な視座からも、インド移民の経済動機とその効果についての分析は不可欠である。
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研究成果の概要 |
グローバル経済と国内経済が連動して成長を続けるインドでは、人口移動は国内・国外ともに増加し、移住者からの送金によって国内の成長が加速されるという構造が強固な成長動力として安定的に機能していた。所属する社会階層の高さは人的資本の蓄積水準と結びつくことから、社会階層の上層は国外移住を志向し、社会的・経済的後進層は国内の非熟練的な労働サービス部門への移住を行うことで所得制約を緩和する。しかし、Covid-19によって、そうした国内移住者の多くは、社会的な保護を受けることなく失業、出身地へ強制的に送還された。現在、経済的・社会的な後進層はモビリティと所得と自律的なリスク緩和手段の損失に直面している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2000年以降のグローバリゼーションが提示した問題は、豊かな国と貧しい国の格差の減少と、国内格差の深刻な拡大が同時に起きているということにあった。先進経済地域における高い賃金機会を求めて、インドの高カースト家庭や豊かな家計は、高い教育資本をもとに、高技能の国際移住をめざす結果、経済発展の動力となる知的資本が海外へ流出する。一方で、教育水準が低い人々は、安価な非熟練労働者としての都市へ移住し、出稼ぎを行う。つまり、経済的動機による移住は、安定的に階層的な社会を維持する担保力となる。Covid-19によって、国内の低賃金の移住労働者が大量に失業したことが、社会・経済の不安定化の要素となっている。
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