研究課題/領域番号 |
19K23241
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
新改 敬英 熊本学園大学, 専門職大学院会計専門職研究科, 准教授 (30848825)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マネジメント・コントロール / 組織慣性 / コントロール・レバー / 環境適応 / 両利きの経営 / 組織慣性のコントロール / マネジメント・コントロール・システム / 組織の慣性 / 構造的慣性 |
研究開始時の研究の概要 |
既存のマネジメント・コントロール・システム(MCS)研究が未だ焦点を当てていない「組織の構造的慣性」の視角を用いることによって,イノベーション等の実現に対してMCSの与える影響が限定的となってしまうメカニズムの一端を解明する. 具体的には,国内上場企業約3800社への質問票調査を行い,その回答結果に対して統計的手法による定量研究を実施する.また,回答企業のなかから20社程度を選別し,現地視察やインタビュー等の定性研究を複数年にわたり実施する. 研究成果は学会等にて積極的に情報発信するほか,関連学術誌に学術論文として投稿する.
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研究成果の概要 |
本研究では,まず日本国内に本社のある上場企業3,758社を対象として質問票調査を行い,回答結果に対して多変量解析による統計分析を行った。分析の結果,先行研究で明らかにされていた,マネジメント・コントロールが組織慣性の克服に寄与する,という発見事項について,それが常時成立するわけではなく,一定の条件が必要である点を明らかにした。 さらに,民間企業23社の経営者,管理職ならびに組織メンバーへのインタビュー調査を行った。インタビュー内容を分析した結果,現場からのボトムアップでは既存事業が持つ慣性から抜け出すことができず,新規事業の推進が困難になりがちであることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず,本研究の学術的意義は,既存研究ではほとんど触れられていなかった論点について新たな示唆を提供し,既存研究の拡張に貢献できたことである。具体的には,既存事業と新規事業の「両利き」を成立させるうえでは,既存事業が持つ慣性を部分的に緩めるようなマネジメント・コントロール・システムの役割が大きい可能性を示唆できた。 次に,本研究の社会的意義は,中小零細企業が新規事業に挑戦する際に留意すべき点を新たに示唆できたことである。具体的には,新規事業を推進する際に必要な「探索」においては経営者もしくは上級役員の役割が大きく,ボトムアップでは既存事業が持つ慣性から抜け出すことが困難であることを明らかにできた。
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