研究課題/領域番号 |
19K23250
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
寺林 暁良 北星学園大学, 文学部, 講師 (60847656)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 環境ガバナンス / ガバナンスのダイナミズム / ガバナンスのプロセス / 複数の利益 / ヨシ原 / 時間 / 岩木川 / 過少利用 / コミュニティ / 複数の利害 / ヨシ原保全 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、青森県の岩木川河川敷ヨシ原の管理を事例として、どうすれば環境ガバナンスがダイナミズムをともないながらも維持されるのかという要件を抽出することである。環境ガバナンスは長期的な時間軸で進展するが、その過程で利害関係者の利害は変化しうるし、また成員の交代も起こりうる。このようなダイナミズムのなかで、利害関係者が環境ガバナンスに向けた議論を続けられる要件を、(1) 複数の利害を共有する方法、(2) 専門家等による継続的支援の方法、(3) 各組織の成員交代の様態、などに注目して整理する。これにより、長期的な環境ガバナンスのモデルを構築する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、青森県岩木川河川敷管理をはじめとする各地の実践事例に基づいて、どうすれば環境ガバナンスがダイナミズムを有しながらも維持されるのかを考察し、その要件を抽出することである。研究の結果、環境ガバナンスのプロセス・デザインには次の点が重要になることが明らかになった。第一に、利害関係者を結びつけるコーディネーターの役割である。第二に、時間の組み直しである。現代の地域社会は縮小傾向にある場合が多く、今後を展望しにくい。しかし、環境ガバナンスは地域社会の関わりを将来という時間軸で見直すことにつながりうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義として、環境ガバナンスのプロセスに関する理論研究に知見を加えたことがある。利害関係者の時間認識のズレに注目することで、縮小傾向にある地域社会が将来という時間軸で環境管理を展望できるようになりうることを示した。また、社会的意義として、環境ガバナンスのプロセスをデザインするための要件を整理した。利害関係者のコーディネーターに求められる役割や機能のほか、広く合意を広げる方法として物理的影響の解決とともに心理的(主観的)評価を高めるための取組みが必要になることを指摘した。
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