研究課題/領域番号 |
19K23254
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 (2021) 立教大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
五十嵐 彰 大阪大学, 人間科学研究科, 講師 (90844762)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | エスニックヒエラルキー / 移民 / 差別 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本におけるエスニックヒエラルキーの形成過程を明らかにすることを目的としている。エスニックヒエラルキーとは国内に居住する外国人に対する好意の順位を指し、例えば日本では中国人よりもアメリカ人のほうが多くの場合好まれている。こうした順位の存在は多くの国で指摘されているが、なぜ、そしてどのようにそのような順位が形成されるのかについては未だに研究がなされていない。本研究では外国人をその構成要素に分解し、実験を用いて、どういった要素があればある外国人を他の外国人よりも好むようになるのかを検討する。
|
研究成果の概要 |
本研究では日本におけるエスニックヒエラルキー、すなわち外国人に対する好意の順序がなぜ現在の形式になっているかを検討することが目的であった。しかしながら、行った実験では当初の予想とは異なり十分な結果が出なかった。そのため方針を転換し、エスニックヒエラルキーがどのように差別的な行動に帰結するかを検証することとした。採用担当者を対象に行なった実験では、エスニックヒエラルキー上で好意的に見られていない外国人ほど、採用担当者個人の態度がより強く反映された差別行動を取られることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は採用担当者を対象にした実験としては日本初であり、今までうやむやであった差別の実態を初めて明らかにしたものである。加えて、誰の態度に基づいて差別が起こっているかを明らかにした点も社会的に意義がある。すなわち、採用担当者個人の差別的態度に基づいて行われ、社会的な態度(例えば、顧客や同僚の態度)に基づいていないことが明らかになり、特にエスニックヒエラルキー中のポジションが低い外国人ほどのその傾向が顕著である。これはつまり、社会全体の態度が好意的になったとしても雇用担当者の態度次第では差別的な雇用が残存してしまうことを意味する。
|