研究課題/領域番号 |
19K23256
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
里上 三保子 創価大学, 経営学部, 講師 (20845391)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 比較制度 / 移行経済 / 労働システム / 社会政策 / ジェンダー / 国家主導 / 女性労働 / 賃金 / 経済体制 / 労働市場政策 / 男女賃金格差 / 体制転換 / EU / 中東欧 / 国家の役割 / 男女平等 / 制度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、社会主義時代には労働不足とイデオロギーを背景として積極的に奨励されていた女性労働が、体制転換という市場経済化の下でどのように変化したのかについて、旧社会主義国間での比較から差異が生まれる要因に着目し、体制転換の特徴や労働市場政策のあり方、民営化過程、社会主義時代の女性労働の状況から検討し、女性労働を促進・阻害する要因を明らかにすることである。現在世界的に女性就業率の向上が目指され、わが国においても官民を挙げてさまざまな取り組みが実施されている中で、本研究から得られる知見は大いに貢献できるものと考える。
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研究成果の概要 |
統一以前の東独における女性労働に国家がどのように影響を与えたのかについて分析を行い、国家の強力な主導によって極めて短期間に女性の労働市場への参入が高程度に進んだこと、その一方で政治的自由の欠落などから性別役割分業は変化せず、いびつな形での女性の社会進出が進んだという帰結をもたらしたことが明らかとなった。また、欧州旧社会主義国における男女間賃金格差についての研究ではメタ分析による統合・比較を行うことにより①体制移行期を通じた欧州新興市場における男女賃金格差水準の推定②男女賃金格差水準のEU加盟国と非加盟国の差異③男女賃金格差の長期的趨勢の3点を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、女性労働の拡大に果たす国家、あるいはEUなどの国際機関の役割の大きさが明らかになった。国家や国際機関による強制的ともいえる広範にわたる制度の変更とイニシアティブがあることにより、女性労働の拡大や賃金格差の解消という目標を達成することが可能となったことが示された。それとともに、その際には労働市場以外の様々な角度からのジェンダー平等が検討される必要があることも明らかとなった。こうした知見は女性活躍に取り組みながらもジェンダーギャップの解消が進まない我が国にとっては、今後の施策に重要な示唆を与えるものである。
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