研究課題/領域番号 |
19K23259
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 関東学院大学 (2021-2022) 同志社大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
鄭 煕聖 関東学院大学, 社会学部, 准教授 (80844092)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セルフ・ネグレクト / 独居高齢者 / 自殺念慮 / 手段的日常生活動作 / ソーシャルサポート / 高齢者 / 日韓比較 |
研究開始時の研究の概要 |
セルフ・ネグレクトは,自分自身の健康と安全を自ら放任・放置する行為であり,支援や治療の拒否・放棄のみならず,責任を果たせない多頭飼育や不用品の収集からゴミ屋敷の状態に至る場合もあり,その状態が続くと誰にも看取られずに自宅で死亡する孤立死に至るリスクが高まるとされている.しかし,セルフ・ネグレクトに予防的介入が求められる今日,セルフ・ネグレクトがどのような要因により生じるのか,その因果関係に対する検討が十分に行われていない.本研究では,日韓両国においてセルフ・ネグレクトとそれに影響する要因との因果関係を実証的に検討し,高齢者のセルフ・ネグレクトを断ち切る予防・支援モデルを構築することを目指す.
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研究成果の概要 |
この研究は、日韓両国におけるセルフ・ネグレクトへの予防・支援モデルの構築を目的に、従来の研究において等閑視されがちであった当事者の視点及び心理・社会的要因を解明することに着目して、セルフ・ネグレクトとそれに影響する要因との因果関係を実証的に検討する基礎研究として位置付けられる。そこで、2019年度から日韓両国において、一人暮らし高齢者を対象にアンケート調査を実施し、分析を行った。一方、日本では新型コロナウイルスの拡大により調査が中止になるなど計画通りに進めることができなかった。研究の結果は論文としてとりまとめ、日本と韓国の学会誌等に投稿し、計4編が掲載された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、セルフ・ネグレクト研究において、従来の研究では等閑視されてきた当事者の視点と心理・社会的要因がいかに重要な要素であるかを実証的に検討したことが成果としてあげられる。具体的には、高齢者が危機的ライフイベントを通してセルフ・ネグレクト状態となり、心理的要因が媒介変数として有効に影響を及ぼすこと。なお、セルフ・ネグレクトの程度が悪いほど自殺念慮の程度が高いことや、手段的日常生活動作(IADL)とセルフ・ネグレクトの関係において情緒的サポートが有意な調節効果をもつことを明らかにした。これらの成果は学術的にも社会的にも重要な知見を与えるものと考えられる。
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