研究課題/領域番号 |
19K23261
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 花園大学 |
研究代表者 |
笹谷 絵里 花園大学, 社会福祉学部, 講師 (50847465)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 遺伝 / 保因者 / 育児書 / 台湾 / 優生思想 / 高齢出産 / 子ども / 健康 / 出生前診断 / 人工妊娠中絶 / 疾患 / 遺伝性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本と台湾の育児書を比較することで、「保因者」がどのように表象され、取り扱われてきたかを子どもは健常で健康であるべきであるという優生思想の視点から明らかにする。「保因者」であることが明らかになった場合、子どもを産む/産まない、選んで産むという、子どもの選別にどのような影響を与えているのだろうか。この優生思想が日本と台湾の育児書でどのように記述されているのかを分析しその影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本と台湾の育児書を比較することで、どのような「子ども」を持つべきと考えられているかを遺伝学検査の受検の視点で明らかにした。結果、台湾では、検査を受けず「健康」ではない子どもを持つことは不利益と記述され、積極的な検査の受検が推奨されていた。一方、日本では検査を受けることは、個人の考えや意思に基づくべきものであるとされ、家族内で相談することが述べられるなど、遺伝学的検査に対する考え方の違いが育児書から明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、日本と台湾の遺伝学的検査に対する認識の差を育児書を分析することで明らかにすることを目的に実施した。結果、台湾の育児書では、遺伝学的検査(出生前診断や保因者診断)を積極的に受けるべきであると述べられ、高齢出産はリスクが高く、高齢出産となる場合は検査を受けることが推奨された。一方、日本の育児書では遺伝学的検査を受けることは個人の判断であり、デメリットもあることが述べられ、積極的に検査を受けることは推奨されていなかった。このように、台湾では、「健康」な子どもを産むべきと考えられ、日本では子どもに関する選択は個人にゆだねられていることが明らかとなった。
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