研究課題/領域番号 |
19K23262
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 広島文教大学 |
研究代表者 |
仙波 希望 広島文教大学, 人間科学部, 准教授 (50847697)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 広島 / 都市 / メディア / 都市社会学 / 平和都市 / 都市研究 / ポストコロニアル都市理論 / 平和 / 復興 / メディア研究 |
研究開始時の研究の概要 |
2011年の東日本大震災以降、国内外問わず多くの領域で「復興」研究がなされてきた。その参照項として言及されるのが、〈平和都市〉広島である。本研究ではこの〈平和都市〉と復興の問題系を紐解くべく、戦略的に射程を戦前から戦後までに延伸し、複数のメディアイベント・都市運動・都市計画思想を検討主題としたい。というのも本研究は、〈平和都市〉を戦後の産物としてではなく、近現代を通じた「都市・広島」の理念的産物として位置づけるためである。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、〈平和都市〉広島がいかに生成され、またどのようにその都市理念と建造環境が絡み合いながら都市的動体を描き出してきたかを明らかにすることである。そのうえで、都市理論とフィールド分析の相互連関を意識しながら、本研究は次のような作業をすすめてきた。(1)近現代広島をめぐる都市的検討を実施するための理論的枠組みの彫琢――ポストコロニアル都市理論の導入。(2)「大広島」のスローガンを軸とした1920年代から1950年代に至る広島の都市運動ならびにメディアイベントの検討。(3)都市理論と事例検討を重ね合わせるかたちでの最終的なアウトプットの作成。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「1945年8月6日を起点としない」ことによってのみ解明可能な、空間的系譜の存在を明らかにしたことである。たとえば米山リサが提起した「同心円の想像力」的枠組みの限界を指摘したうえで、〈平和都市〉の「復興」の起源を原爆被害でなく、近代アーバニゼーションの水脈から捉え返した視点がそれにあたる。 本研究はこの理想の系譜を言説、知、そしてアクターの同一性を根拠に戦前にまで辿って解明し、「復興」 をつくりあげる都市的原動力が戦前から発露していたことを明らかにした。
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