研究課題/領域番号 |
19K23268
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
元橋 利恵 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 招へい研究員 (50846748)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ケアの倫理 / 母親業 / 母性 / 政治参加 / 母親運動 / ケア / フェミニズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、母親たちの政治運動とその参加者への質的調査を行い、ケアに従事する人の政治参加に関わる、実態、困難、課題を具体的に明らかにすることである。ケア・フェミニズムの潮流や欧米の母親のアクティビズムに関する理論および知見を援用することによって、母親たちによる母親業の経験に基づいた社会・政治参加や自らをエンパワメントする実践の検討を行う。それらを通じて、母親のエンパワメントの重要性や母親中心の子育て環境の重要性について議論を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本における母親業を担う女性たちのインタビュー調査を通して、既存の政治参加のモデルでは参画から遠ざけられるケアする人の政治参加の困難と可能性を明らかにしている。本研究では、ケアする人がケアしケアされるためのニーズを語り、聞き届けられることが可能な「政治的ケア」やケアする人を対象にした支援の枠組みが社会的条件として必要であることを立論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、ケアの倫理に根差した議論が注目され、ケアの営みの重要性が認知されつつありますが、ケアを担う人、特に母親業のような私的かつ家庭内でおこなわれるがゆえに見えないケアを担う人がいかに政治参加していくのかについては議論が不充分でした。本研究では、ケアに根差した政治、社会を構想するために重要な、ケアする人が政治参加にいかなる困難を抱えているのかを母親業を担う人の運動や日々の経験の語りから考察し、私たちのもつ政治観そのものの変化の必要と、ケアする人の声が聞き届けられる支援体制の必要性を論じました。
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