研究課題/領域番号 |
19K23275
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
陳 怡禎 日本大学, 国際関係学部, 助教 (30845722)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | サブカルチャー / 社会運動 / 台湾 / 香港 / 社会運動におけるコミュニケーション / 政治運動 / 社会運動における情動 / ジェンダー / 若者 / メディア / 趣味共同体 / 女性共同体 / 東アジア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2014年3月に台湾で起きた「ひまわり運動」、9月に香港で起きた「雨傘運動」を事例として研究し、現代の社会運動の担い手である若者はいかに、日常的趣味を用いて社会運動について語り続けているか、さらにその語りを通して、社会運動に意味を付与・修正しながら、新しい「つながり」を構築しているかについて考察する。 さらに、本研究はとりわけ女性を研究対象に絞って研究をすすめる。具体的に、本研究は、社会運動に参加している女性達は、男性中心主義の社会運動空間に居場所を探りながらも、日常生活に実践している「私的趣味」を戦略的に非日常的空間だと言える社会運動に持ち込んで実践する意味を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、2014年の「ひまわり運動」(台湾)、および「雨傘運動」(香港)を考察することを通して、現代社会運動の担い手である若者、 なかでも特に女性参加者はいかに、自分自身の日常的趣味を用いて社会運動について語り続けているか、さらにその語りを通して、社会運動に意味を付与しているかについて考察することである。本研究は、主に以下の2点の研究成果を示した。(1)社会運動に参加している台湾や香港の若者、中でも女性は社会運動空間において、文字、二次創作、言説を通して「語り合い」を行い、情動を生成しながら社会運動に意味を付与した。(2)社会運動参加者は、「日本」のサブカルチャー記号を用いて対抗を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の研究成果は、以下の3点の学術的意義や社会的意義を持っている。第一に、台湾や香港の若者は、「日本」記号を用いて「中国」に対抗を示すことを明らかにすることを通して、東アジアにおける政治・文化的力関係の力学を明らかにした。第二に、台湾や香港の若者は、サブカルチャーや流行文化を用いて政治に参入することを通して、「政治」に新たな意味を付与したことを明らかにした。第三に、現代の社会運動に参加している若者たちは、あえて既成的な社会構造の「周縁」にとどまり、文化実践を通して異議申し立てを行い、「対抗」の新しい手段を生み出したことを示した。
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