研究課題/領域番号 |
19K23276
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
笠原 良太 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (20846357)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 石炭産業の漸次的撤退 / 炭山コミュニティ / 成人期への移行 / ライフコース / 社会移動 / 生活文化 / 企業・地域・家族 / 人間行為力 / 閉山 / 樺太引揚 / 産業と教育 / 石炭産業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国内石炭産業の漸次的撤退期における閉山を経験した青年たちを対象に、閉山 直後の状況理解、新たな環境への適応を含めたその後の成人期への移行過程全般を、個人資 料の分析ならびに追跡調査のデータから把握する。その際、父親の再就職先が大都市圏と炭 鉱に二分される炭都夕張の閉山を事例とする。本研究は、産業衰退にともなう中間集団の変 容に着目し、成人期への移行における青年たちの家族関係や移行タイミング、人間行為力の 作用に関するライフコース研究に位置付けられる。
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研究成果の概要 |
本研究における主な知見は以下のとおりである。第一に、石炭産業の漸次的撤退期における閉山に関する中学生の作文を収集・分析し、閉山が中学生の職業意識や社会認識に影響を及ぼしたことを明らかにした。第二に、高度経済成長期の釧路炭田ならびに夕張炭田における閉山を例に、当時の中学生に対する追跡調査を実施し、閉山が彼らのライフコース全体に中長期的な影響をもたらしたことを明らかにした。この知見を博士学位論文、雑誌論文、リサーチペーパーとしてまとめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず、社会学、とりわけライフコース研究における意義として、産業・地域・教育・家族と子どもの発達・人生移行との関連を明らかにした点があげられる。また、調査法における意義として、当事者(元住民・同郷会会員)と共同で生活の記憶を掘り起こし、記録する方法を確立した点があげられる。 つぎに、社会的意義は、高度経済成長期の産業衰退によって消滅した地域(「故郷」)の生活記録・人びとの記憶を、写真や手記、回顧など多様な資料をもとに記録・記述し、後世に伝えるアーカイブズを構築している点である。
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