研究課題/領域番号 |
19K23282
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡県農林技術研究所 |
研究代表者 |
小杉 徹 静岡県農林技術研究所, 加工技術科, 科長 (60426468)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ジャガイモ / GABA / アクリルアミド / 低温スチーマー / 品種・系統 / グルタミン酸 / DPPH活性 / 抗酸化能 / 低温スチーム処理 / ビタミンC / 低温スチーマ / GAD / 還元糖 / 在来種 / 低温調理 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人疾病の総患者数で最も多いのは高血圧性疾患である。一方、ジャガイモ等、食品中のγ-アミノ酪酸(GABA)の摂取は、血圧上昇の抑制効果があるため注目されている。しかし、ジャガイモは加熱加工が必要であり、チップス等の加工品はアスパラギンと還元糖の縮合反応で生成する発がん性物質のアクリルアミド(AA)が多い問題がある。 本研究では、ジャガイモのGABAに注目し、少量摂取でもGABAの効率的摂取となる品種系統を探索するとともに、低温スチーマーを利用したGABAを増加しAAを低減する前処理条件を解明する。以上によりGABA増加とAA低減が両立する、機能性と安全性が高い、ジャガイモ加工技術を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究は、ジャガイモのGABA増加と発がん性物質アクリルアミド(AA)低減を両立する前処理条件を解明することを目的とした。5種の品種・系統について、GABAは、在来種の‘赤じゃがた’や‘オランド’で多かった。また‘男爵’を低温スチーマーにより、好気および嫌気処理下で、温度(45~70℃)と時間(5~30分)を変化させ処理した結果、好気55℃・5分処理区でGABA増加傾向とAA原因物質の還元糖が減少傾向を示したので、本条件が前処理条件に適していると判断した。更に‘男爵’、‘赤じゃがた’および‘オランド’を前述条件で前処理後に、180℃・3分間揚げ処理をした結果、AAが低減する傾向が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ジャガイモのGABA増加と調理時に生成する発がん性物質アクリルアミド含量の低減を両立する、前処理条件を解明するものである。今回の研究により、品種・系統間で差はあったものの、低温スチーム前処理で、還元糖やアクリルアミドが低下傾向になり、揚げ処理後に生成するアクリルアミドの低減効果が認められた。アクリルアミドの摂取を減らすという発がん性物質の低減の観点から、意義は大きく食の安全にも繋がる。本研究の加工処理方法の食品現場での利用は、揚げ処理後のGABAの減少などの改善点はあるもののこれらを解決することで、安全性が高く高血圧症予防効果がある商品開発が今後実現できると考えられる。
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