研究課題/領域番号 |
19K23289
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
崔 善境 広島大学, グローバルキャリアデザインセンター, 助教 (70845619)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 職業教育 / 教育収益率 / 東南アジア / 教育成果 / 低熟練労働者 / データベース / 実証分析 / インドネシア・ベトナム / 職業訓練教育 / 教育経済 / 教育リターン |
研究開始時の研究の概要 |
これまで東南アジアにおける職業教育の成果に関連する実証分析は賃金としての成果に関わり、個人の属性を考慮、誰が、どういう理由で職業教育を選択し、修了後、労働市場で賃金の高低のみならず、雇用形態や職場環境の良・不良等の要因をも含めたうえで、総括的な「成果」を明らかにする研究はまだ存在していない。経済成長に最も高い潜在性がある東南アジア諸国のうち、低熟練労働者の人材不足が深刻になっているインドネシア、ベトナムを「教育選択要因→職業教育選択→労働市場成果(中心・周辺要因)」という段階的教育分析モデルによって分析、その結果から、東南アジアの職業教育のより精緻なモデル化と、政策的示唆を考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、東南アジアの職業教育の労働市場での成果について①単に賃金要因のみならず、「職業教育を受けた若年層」は、②安定的な雇用にありついたのか、また、③職場の働きやすさなどの満足度につながっているのかを実証的に明らかにすることである。インドネシアの中等職業教育卒業者は、経歴年数を積むことにより賃金を上昇させることができた。さらに、経歴年数が長いほど賃金上昇率が上がることと、中等教育段階で男性の方が女性より教育収益率が高いということと、大学に進学することが経済的事情により難しい学生は、職業教育を受けて職業経歴を積むというキャリアパスがより望ましいことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東南アジアにおける労働市場での教育成果(職業教育)をオーストラリアの研究機関から提供する良質のデータを用いて因果関係の識別を試みている点で特徴的である。厳密な手法を用いることでより多くの東南アジア諸国の国際比較可能なエビデンスを提供する意義がある。政策効果の面では、会計環境を含め、ジェンダー別に異なる教育成果が予測され、労働市場における男女間賃金格差を縮小するどのような教育政策をすべきかの示唆を与える意義がある。
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