研究課題/領域番号 |
19K23290
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
尾関 美和 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (60847549)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ASD児 / 体育 / ムーブメント教育・療法 / MEPA-R / KHCoder / 集団 / KH Coder / ASD / 社会性 / 小学部 / 知的特別支援学校 / かかわり |
研究開始時の研究の概要 |
ムーブメント教育・療法を取り入れた体育の授業での実践により,自閉症スペクトラムの子どもたちの社会性の発達を促すことを目的とする。 自閉症スペクトラムの子どもたちは,コミュニケーションや人とのかかわりが苦手だと言われ,集団活動で誤解を生んだりトラブルを生じたりすることがある。そこで,「あたま(認知の発達)・こころ(情緒の発達)・からだ(運動の発達)」の3面から発達を捉え,楽しい活動を含む体育の授業を実践する。そして子どもたちの,友だちと一緒に活動したい,かかわりたいという気持ちを育て,友だちとの友好関係を築くことができる基盤を育てることを目指す。
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研究成果の概要 |
ムーブメント教育・療法の理論を用いた知的特別支援学校小学部1、2年生の体育の授業実践を6回行った。その結果、自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder以下ASD)の児童9名中7名にMEPA-Rの言語、運動・感覚、社会性全ての分野に於いて評定の向上が複数みられた。残り2名についても担任の授業記録や日常生活の記録には、友だちを模倣をする様子や手招きで友だちを誘う様子が記されていた。ASD児の特徴である「非言語コミュニケーション」の力の向上につながったといえる。このことから、ムーブメント教育・療法は、ASDの子ども達の社会性の発達を支援することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DSM-5 では ASD の診断基準が変更し、支援方法に新しい流れの必要性が叫ばれている。 髙橋ら(2014)は社会性に関する内容として「相互の対人的-情緒的関係の欠落」とし、その支援として対人的相互反応で非言語的コミュニケーション行動を用いることを述べている。また、近年 ASD 児の教育として、発達検査の結果を踏まえた学習支援や問題行動に対するエビデンスにもとづく幾つかの方法がとられている。しかし個別的な対応が多く、般化が困難となる場合がある。従ってASD 児の社会性を発達的な視点からとらえ、集団での学びを重視しているムーブメント教育・療法の実践を行い、発達を促すための手がかりを検証したい。
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