研究課題/領域番号 |
19K23301
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
飯田 星良 追手門学院大学, 地域創造学部, 特任助教 (30846316)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非認知能力 / パフォーミングアーツ / 傾向スコアマッチング / ウェブ調査 / 芸術教育 / 文化経済 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では芸術活動の教育的な効果に注目し、義務教育期に近年導入されているダンスなどのパフォーミングアーツの経験が問題解決力やコミュニケーション力などの非認知能力を涵養するという教育効果を持つことを定量的に明らかにする。この分野における研究では、パフォーミングアーツを経験したグループとしていないグループにわけて純粋に経験のトリートメント効果を測定した分析はない。また、教育分野で注目を浴びている非認知能力との関係を議論した研究も少ない。そこで、本研究では独自の調査によってデータを構築し、学校外でのパフォーミングアーツ経験に応じた傾向スコアマッチング法を用いた定量評価を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では義務教育期における芸術経験の教育的な効果に注目し、近年導入されているダンスなどのパフォーミングアーツの経験と非認知能力との関係を定量的に明らかにした。芸術が非認知能力に影響を及ぼすという仮説検証のために1年目に、パフォーミングアーツの経験と非認知能力を捉える質問を含めた調査票を作成し、独自の調査によってデータを構築した(n=543)。2年目にはそのデータを用いて経験の効果を把握できる傾向スコアマッチング分析を行った。その結果、パフォーミングアーツの経験によるグリットへの効果は値としては非常に小さかったものの、正に有意な結果を得た。この分析結果は国際学会にて報告し、議論を深めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで学校外での芸術活動経験の非認知能力への影響を定量的に論じ捉えた研究はほとんどない。本研究は芸術活動の教育への影響を議論する上での基礎的な役割を果たすものと考える。例えば、海外の研究では、音楽やダンスレッスンに参加した人の大学入学率について傾向スコアマッチング法を用いた分析はなされているものの、その背景についてまでは十分に議論されていない。非認知能力を介した影響の可能性を示唆する本研究は、これらの研究を補完するような基礎的な研究である。また、学校外での芸術の経験が非認知能力にも影響をもたらす可能性があることが示された。芸術活動を経験する機会の確保も一層検討することが求められる。
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