研究課題/領域番号 |
19K23308
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩佐 奈々子 北海道大学, 教育学研究院, 専門研究員 (50846251)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 教育学 / 地域教育 / アイヌ民族 / 先住民族教育 / 意識化 / 語り |
研究開始時の研究の概要 |
日本のアイヌ民族の人々の教育の現状は、公教育が基本となり、先住民族に関する教育はまだ確立されていない。そのために、アイヌの人々が先住民族としての新しい自己認識の形成を促す先住民族教育の開発が求められている。本研究は、先住民族教育に関する新しい学習プログラムの開発を先住民族の社会的課題解決のための「意識化」を促す「PAL学習法」(岩佐2019)を用い、①脱フレーム化:海外の先住民族の事例調査、②「意識化」:①の調査結果を元に、アイヌの人々が先住民族性について検討を行う、③再フレーム化:アイヌの人々による新しい学習プログラムの開発、という3つのステージを通してアイヌの人々と実施する共同研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、アメリカ・ハワイ州のNative Hawaiians(NH)の人々に関する「教育」と「観光」について、1)ハワイ州教育省によるNHに関する教育指針と教育活動の効果的連携、2)ハワイ大学システムのシステム化された実践的教育プログラムとその方法、3)地域のパブリック・チャータースクールや学習センターの現状、4)質の高い観光を提供するためのガイド育成のための教育プログラムなどが明らかになった。これからことを踏まえ、5)先住民族の人々の民族性を尊重するためのストーリーの重要性とその聞き方の効果的な方法を検討した。これらの成果をアイヌの研究協力者と共有し、オンライン・シンポジウムで公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、ハワイ州教育省の教育指針や実践的な教育プログラム、学校教育におけるNH向けの教育プログラムなどの情報や知見をアイヌの研究協力者と共有し、先住民族の視点から共同で検討することは、今後のアイヌの人々の教育を考える上でアイヌの当事者性を「意識化」することを可能にした。また、アイヌの人々との共同研究は、これからの教育を先住民族という観点から意識的に考える機会を生み出し、新しい研究とその方法を検討する機会にもつながった。さらに、日本社会側にも先住民族を内包する社会として、アイヌ民族に関する教育や研究をどのように位置づけ、どのような方法が適切なのかを自ら問う機会を生み出した。
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