研究課題/領域番号 |
19K23327
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸松蔭女子学院大学 |
研究代表者 |
垂髪 あかり 神戸松蔭女子学院大学, 教育学部, 講師 (00848947)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 重症心身障害児 / ヨコへの発達 / 重症心身障害児施設 / 糸賀一雄 / 発達 / 療育 / びわこ学園 / 発達保障 / 実証 / 〈ヨコへの発達〉 / 実践 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、重症心身障害児の発達保障を,「ヨコへの発達」という視点から実践的に検証するものである。「ヨコへの発達」とは、人間の「発達」を諸能力 の獲得である「タテ」の方向で捉えるのではなく、個性の拡がりや感情の豊かさを意味する発達の捉え方であり、日本の重症心身障害児療育・教育の歴史を切り拓いてきた近江学園および重症児施設びわこ学園(滋賀県)において約半世紀前に創出された考えた方である。本研究では、びわこ学園において超重症児を含めた重症児に対する実践と発達評価の在り方について調査し、「ヨコへの発達」という発達の視点が現在の療育実践においていかに実践化されているのかを質的に検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、重症心身障害児の発達保障を「ヨコへの発達」という視点から実践的に検証するため、【研究1】重症児への療育・教育実践の事例的検討 【研究2】重症児に関わる職員へのインタビュー調査の質的検討、を実施した。【研究1】では、施設利用者が高齢化し、障害が重度重症化する中における、2010年代の「びわこ学園」の発達保障の思想と実践について明らかにした。【研究2】では、療育場面に関わった職員への聞き取り調査の結果を分析し、重症心身障害者の 「ヨコへの発達」を職員らがどのように捉え、療育的関わりに生かしているのかについて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「ヨコへの発達」は、人間の「発達」を能力の高次化としてみる縦方向の発達ではなく、個性の広がりや感情の豊かさを横方向の発達として捉える見方である。1960年代後半に創出された考え方であるが、半世紀以上経った現代において、その考え方がどのように療育実践現場で継承・実践化されているのかについて、本研究で検証した。 「ヨコへの発達」は、2020年代においても、障害の重い人たちの発達を捉える一つの指標として、療育現場で用いられ、障害児者のみならず人間の発達を多面的に捉える考え方として、重症心身障害児療育現場から社会に向けて発信していく必要性があることが再確認された。
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