研究課題/領域番号 |
19K23332
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構 |
研究代表者 |
高原 耕平 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 人と防災未来センター, 主任研究員 (10844566)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 阪神・淡路大震災 / 震災学習 / 災害伝承 / 防災教育 / 教員の発達 / 自然災害 / 世代間継承 / 中間記憶 / 阪神淡路大震災 / ノンフォーマル型防災教育 / 記憶 / 継承 / 心的外傷 / 臨床哲学 |
研究開始時の研究の概要 |
兵庫県下の防災教育は、子どもたちに何をもたらしてきただろうか? 災害の記憶を「継承」することの本質は何なのだろうか? 本研究は、阪神・淡路大震災被災地域の学校で続けられてきた防災教育における〈記憶継承〉の取り組みに着目し、過去の災害の記憶に触れてゆくことが児童生徒にどのような発達を促すのかを、現象学的分析により明らかにする。 とくに外傷的な記憶を聞いて受け止めること自体の外傷性に注目し、そうした受け止め体験が児童生徒の感受性の発達に及ぼす影響を、小学校・高校の防災教育に参加しつつ検討する。
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研究成果の概要 |
阪神・淡路大震災被災地域の公立学校では「震災学習」と呼ばれる教育実践が四半世紀以上続けられてきた。これは、狭義の防災教育と災害伝承と地域死者の追悼が組み合わされたものである。 本研究はこの震災学習を学校で受けてきた人々を対象として、彼らの感受性の発達と災害伝承の実態を解明する。 阪神・淡路大震災時に乳幼児で、震災学習を地域内で受けてきた複数の若者にインタビュー調査を実施した。その結果、震災の明確な体験をほぼ持たないものの震災のことを身近に感じ、使命感などを意識する一種の当事者性をかれらが持っていること、その当事者性の醸成に家庭での伝承と震災学習が相乗効果を及ぼしていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、災害体験の記憶をほぼ・全く持たない世代にも、家庭・地域・学校での営為によって災害伝承が成立すること、その伝承の核心とは新しい世代に当事者性が醸成されることであることを示した点にある。また、その当事者性醸成のプロセスについて、家庭・地域・学校での学習が段階的に相乗効果を生んでゆくというモデルを考案した。本モデルは次の研究課題の仮説である。 社会的意義として、本研究が対象とした阪神・淡路大震災被災地域の震災学習実践が特異な事例ではなく、他被災地域にも応用・参照可能なものであることを示し、そうした実践の基盤を提供した点にある。
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