研究課題/領域番号 |
19K23338
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
佐川 祥予 静岡大学, 国際連携推進機構, 助教 (70849322)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 実践コミュニティ / キャリア / 日本語学習 / ナラティヴ / 異文化間コミュニケーション / 日本語教育 / 大学生 / 学び |
研究開始時の研究の概要 |
国内外を問わず大学における外国語・第二言語教育としての日本語教育は、学生から社会人へのライフステージの転換を支援する立場にあるにもかかわらず、教育カリキュラム・実践の中には卒業後の社会参加・キャリア形成に関する視点が乏しい。本研究は、教室内外における実践コミュニティ(Community of practice(CoP))での学びを取り入れた日本語教育を行うタイ国の大学を対象として、卒業生及び教員への聞き取りをもとに大学での学びと卒業後のキャリアの繋がりについて実態調査を行い、大学日本語教育のひとつのモデルケースを示すことを目的とするものである。
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研究実績の概要 |
・研究目的 本研究は、教室内外における実践コミュニティ(Community of practice(CoP))での学びを取り入れた日本語教育を行うタイ国の大学を対象として、卒業生及び教員への聞き取りをもとに大学での学びと卒業後のキャリアの繋がりについて実態調査を行い、大学日本語教育のひとつのモデルケースを示すことを目的とするものである。 ・研究計画及び成果 本研究では、(1)対象となる教育機関の教育枠組の提示、(2)教育現場に関わる人々の実態調査、(3)複数の手法による多角的なナラティヴ分析、(4)CoP型大学日本語教育の提言、という4つの課題を設定した。課題(1)は初年度、課題(4)は最終年度、課題(2)・(3)は期間中継続して行う。本年度は、COVID-19の影響で中止としていたインタビュー調査を実施し、課題(1)・(2)を推進させた。データが増え、課題(3)の分析についても深めることが可能となった。最終課題(4)を着手する環境が整った。課題(1)の教員インタビューでは、当該教育機関が行ったカリキュラムの改訂について聞き、現在の状況を把握した。課題(2)では、調査対象機関の教員・卒業生合わせて8名にインタビュー調査を行った。COVID-19の影響で、規模を若干縮小し実施したが、新人教員や管理職教員の声、また、転職経験や職場での役割変化を経験した卒業生らの声を聞くことができ、充実したデータ収集となった。課題(3)では、収集したデータの分析を行った。卒業生のナラティヴからは、職場における異文化間コミュニケーションに関する様々な経験や、共通した学習観が浮き彫りとなった。教員のナラティヴからは、経験に基づいた個々の教員の教育方針や、組織としての方向性をどのように認識しているのかといった点を知ることができた。これを踏まえ、次年度のインタビュー調査の方向性をより明確にすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度はCOVID-19の影響によりフィールドワークが不可となったが、本年度は実施することができた。課題(1)・(2)のデータ収集を進展させた。データが集まってきたことで、課題(3)のデータ分析の焦点がより定まり、最終課題である課題(4)を開始する段階へと進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は課題(1)・(2)を実施するほか、課題(3)のデータ分析と最終課題(4)のCoP型大学日本語教育の提言を並行して実施する。 次年度も引き続き、インタビュー調査を実施し、課題(1)・(2)に関わるデータ収集を行う。過去のインタビューデータを取りまとめ、課題(3)のナラティヴ分析をまとめていく。個々人のナラティヴの分析を行うほか、複数回のインタビューを経ることで見えてきた通時的な側面についても着目する。課題(4)では、メンバーシップや自己形成をキーワードとした新たなCoP型大学日本語教育の提言を視野に、課題(1)・(2)・(3)の総括を行う。
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