研究課題/領域番号 |
19K23348
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
谷口 利律 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, その他(招聘研究員) (20557318)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 西アフリカ / 教育史 / 比較教育学 / アフリカ教育史 / フランス植民地 / 植民地教育 / 仏領西アフリカ / 相互教授法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、教育状況の低迷が指摘されてきた旧フランス領の西アフリカ地域に焦点をあて、現代の教育問題のルーツである植民地教育を、担当行政官という「人物」を切り口とした視点から分析する。 旧フランス植民地で実施された植民地教育には、フランス政府からの統一された指示や政策的影響が及びにくく、政策の実際の運用は本国から派遣された教育担当官の裁量に大きく左右されがちであった。そこで本研究では、植民地教育に多大な影響を与えた3名の教育担当官の教育理念と教育政策を検討し、植民地教育を彼らの意識や思想から再考することにより、学校教育と実生活との乖離等にみられる今日的な教育問題を解決する糸口を導く。
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研究成果の概要 |
本研究では、旧フランス領の西アフリカ地域に焦点をあて、3名の植民地教育担当官の教育理念と教育政策を検討することで、同地域の今日的な教育問題を解決する糸口を導くことを目的とした。本研究からみえてきたのは、仏領西アフリカの植民地教育政策の流れに大きな影響を与えたのは、教育担当官自身の思想や教育理念であり、彼らの思想を包括的に形成した社会的・政治的状況であったという点である。さらに、そうして構築された植民地教育の史的変遷のなかで、現在の西アフリカにみられる教育格差―内的な地域格差やフランスとの外的格差―が断続的に形成されてきたことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は、植民地政府の敷いた教育政策を単純に分析するのではなく、その運用に携わった担当行政官に着目することで、仏領西アフリカにおける植民地教育の理念と実践を再考することである。同地域の限られた教育研究においては、植民地の教育政策が本国の一貫した指示のもとで実施されていたかのような論調が認められる。その結果見落とされてきたのは、実際の仏領西アフリカの教育政策の大部分が赴任した担当官の裁量に委ねられ、策定、運用されてきた現実である。本研究の意義は、教育担当官という「人物」を研究の中心に据え、仏領西アフリカの植民地教育を捉えなおした点にある。
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