研究課題/領域番号 |
19K23355
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
隅田 姿 広島修道大学, 国際コミュニティ学部, 准教授 (80843804)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 援助要請 / 援助行動 / モザンビーク / 大学生 / 教師 / 海外援助 |
研究開始時の研究の概要 |
モザンビーク共和国の大学では、留年や中退をしてしまう学生が非常に多い。彼らは学業、健康、家族、友人など様々な問題を抱えているが、それらの問題を誰かに相談し、適切に解決できているものは少ない。このような状況において、彼らがなぜ助けを求められないのかを理解をすることは、彼らへの学習支援という観点から重要な課題である。困っている人が他者に助けを求めることを援助要請行動と呼び、米国をはじめ先進国で多く研究されてきた。一方で、モザンビークにおいてはこの領域の研究はほとんどされていない。本研究では、モザンビークの大学生が、誰に援助を求め、どのような要因が援助を求める行動を引き起こすのかを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究はモザンビーク共和国における大学生が、困った時に誰かに助けを求めているかどうか(援助要請)について、その傾向や理由を明らかにすることを目的とし、177名の質問紙結果を元に分析を行った。その結果、援助要請行動は問題の種類によって異なり、学習意欲や日常・将来に関する問題については援助要請をしないが、学習内容に関する問題については要請する傾向が明らかになった。また男女での援助要請の差はないが、年齢が高い学生ほど援助要請をしないということも確認できた。援助要請をしない理由としては、自分で解決したいというポジティブな動機と低い能力を隠したいというネガティブな動機があることが確認された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は欧米を中心とした援助要請の研究分野においてアフリカのモザンビークというデータが希少な国で一次データを収集し、その援助要請を明らかにした点である。また援助要請研究は医療分野を対象にしたものが多い中、教育分野を対象にした点においても学術的な意義がある。社会的意義としてはモザンビークの大学における学生支援の改善へ貢献をしているところである。モザンビークの大学生が助けを求めない理由には、自分で解決したいか自分で解決できないことを隠したい、という2つがあるため、学生支援においては彼らの自助努力を尊重しながら、一方で自尊心が低い学生が助けを求められるような体制が必要であると示した。
|