研究課題/領域番号 |
19K23364
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2020-2021) 広島大学 (2019) |
研究代表者 |
難波 修史 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, 研究員 (20845961)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 表情 / 感情 / 笑顔 / 文化心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
欧米人と比べて日本人は情報を処理する際に文脈を極めて重視するという文化的特徴を持つことから,本研究では文化間研究の違いを生み出す理由として実験で用いられた笑顔の文脈情報に着目する。従来の実験で用いられてきた文脈情報のない笑顔は,文脈を重視する日本人観察者によって「不自然な笑顔」と解釈されたと考えられる。そこで本研究では,文脈の有無が笑顔の解釈に与える影響に関する文化差を示し,「自然な笑顔」と解釈された場合には日本人観察者も欧米研究と同様に笑顔に対して信頼行動を選択することを示す。本研究を通じて,文脈が引き起こす表情の解釈が観察者の行動に影響することを文化間の比較から明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、文脈に即した笑顔の信頼性判断に及ぼす影響を検討した。西洋人と比べて日本人は情報を処理する際に文脈を重視する、という文化的特徴を持つことは知られているが、それを笑顔に拡張しその「自然さ」に着目した研究は少ない。「礼儀正しい状況で表出された」という文脈情報が呈示された場合には、日本人は西洋人よりも呈示された笑顔が「自然でない」と判断することがわかった。また、複数の実験により多様な文脈における日本人の複雑なふるまいが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会生活における笑顔が観察者によってどのように理解され、どのような行動を引き起こすかに関する広範な現象に関する知見を本研究成果は提供した。笑顔の印象が文脈に依存しており、その度合いは日英で比較すると日本人でより大きくなる。ひいてはそうした印象が、協力行動につながる信頼感を生み出すことを明らかにしたことは、学術領域のみならず日常生活での国際理解・他者理解に対して重要な示唆を提供できたという意味で意義が大きい。
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