研究課題/領域番号 |
19K23371
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 北陸学院大学 |
研究代表者 |
加藤 仁 北陸学院大学, 人間総合学部(社会学科), 講師 (30847356)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | あおり運転 / 責任帰属 / ダークテトラッド / 怒り感情 / 自己中心性バイアス / 社会的認知 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、自動車のあおり運転は運転者の攻撃性や車内環境の問題として扱われてきたが、その抑制要因に関する実証的な研究は少ない。本研究では、自己を基点として物事を認識しようとする自己中心性バイアスに着目し、自動車の運転という視覚的に自己中心性バイアスに陥りやすい環境が運転者の被害的認知を強める結果、怒り感情が生起するというモデルを立て、その妥当性を検証する。また、自己中心性バイアスにまつわる個人特性および車内環境の観点から、あおり運転に結びつく認知バイアスの抑制要因を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、自動車の運転という視覚的に自己中心性バイアスに陥りやすい環境が運転者の被害的認知を強める結果、怒り感情が生起するというモデルを立てた。交通場面における運転者の過失判断を測定する課題を作成し、オンラインアンケートを通じて「視点」および「行為主体性の知覚」の要因とパーソナリティが状況の認知に及ぼす影響について検討した結果、特に危険度が高いと考えられる交通場面において一人称視点と他者の行為主体性(意図の明確性)の高さがそれぞれ他者への責任帰属を促すこと,パーソナリティとしてのダークテトラッドは他者に対する怒り・敵意等の感情と「煽られた」という状況の認知に結びついていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、自動車運転時の怒り感情・あおり行為は運転者の攻撃性やそれを促進する車内環境の問題として社会心理学を中心に検討されてきたが、運転時の認知がもたらすあおり行為の抑制要因に関する実証的な研究は少ない。本研究では、より危険度の高い交通場面においては一人称視点および他者の行為主体性の知覚が他者への責任帰属を促すこと、そしてあおられたという認知は攻撃性よりもパーソナリティであるダークテトラッドに基づく怒り・敵意等の感情によって予測されることを示した。ドライビングシミュレーターによる検証は今後の課題となったものの、あおり運転に関わるいくつかの重要な要因を示すことができた。
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