研究課題/領域番号 |
19K23375
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
森 朱美 (大杉朱美) 福山大学, 人間文化学部, 准教授 (10847817)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ポリグラフ検査 / 隠匿情報検査 / 覚醒 / 自律神経系 / 犯罪捜査 / 閾下提示 / 隠匿情報検査(CIT) / 情報検出 / 記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
隠匿情報検査は、情報検出技術として日本のポリグラフ検査に採用され、今日の犯罪捜査に広く活用されている。本研究は、犯行時の興奮・緊張といった覚醒状態が、隠匿情報検査時の自律神経系指標にどのような影響を及ぼすのかを検討するものである。ここでは、実験参加者の覚醒状態が実験的に操作され、高覚醒群・低覚醒群に割り当てられた上で、模擬犯罪課題が実施される。その後、隠匿情報検査において、模擬犯罪課題で使用した刃物を含む複数の刃物の画像が提示され、各画像に対する反応が比較される。操作や条件を変えた3つの実験から犯行時の覚醒の効果を明らかにし、検出メカニズムの解明及び実務検査の精度向上に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は,犯罪捜査に広く活用されている隠匿情報検査 (CIT) に,犯行時の興奮・緊張といった覚醒状態がどのように影響するかを検討したものである。特に実務検査で用いられる皮膚電気活動 (SCR) 等の自律神経系指標に及ぼす効果について,覚醒操作と刺激提示方法を変えた3つの実験から検討した。結果的に群に関わらず裁決-非裁決差が生じたことから,覚醒がCITにおいて必須要因ではないことが再現された。また, SCRにおいて覚醒の効果が見られたこと,総じて高覚醒群における裁決-非裁決差の効果量が高かったことから,符号化時の覚醒は自律系指標を用いたCITにおいて検出力を増大させる可能性があると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,これまであまり着目されてこなかった犯行時の覚醒の影響について,実務場面で用いられる自律神経系指標を用いて繰り返し検討したものである。CIT時の自律系指標にどのような影響を及ぼすのか,その効果は検出精度を高め得るか否かという問いに対し,覚醒が検出において必須要因ではなく,検出力を高め得るものであることを明らかにし,検出メカニズムの解明及び実務における質問作成における有用な手がかりを提供している。合わせて,閾下提示の可能性を検討し,犯罪情報を尋ねる自律神経系指標に基づくCITにおいては困難であることを示した。このことは,CITにおける通常の閾上提示手続きの重要性を改めて示すものである。
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