研究課題/領域番号 |
19K23379
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
落合 舞子 (川崎舞子) 東京大学, 相談支援研究開発センター, 特任助教 (80844018)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リワークプログラム / 認知リハビリテーション / 認知機能 / うつ病 / 休職 / 復職 / 職場復帰支援 |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病では、記憶力、判断力、思考力などに関連する認知機能に障害が認められるといわれている。近年、うつ病などのメンタルヘルス不調により仕事を休職している方を対象に、集団心理療法であるリワークプログラム (職場復帰援助プログラム) が広く実施され、その有効性も示されているが、リワークプログラムでは認知機能の十分な回復はみられなかったという報告もある。そこで本研究では, 従来のリワークプログラムに、認知機能障害の回復を目的とする「認知リハビリテーション」の技法を用いた新たなプログラムを取り入れ、その効果を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、うつ病などのメンタルヘルス不調により休職している患者に対し, 認知リハビリテーションを取り入れたリワークプログラムを実施し、うつ症状および認知機能の変化を検討することであった。20名の対象者にプログラムを実施し、参加の前後で認知機能検査と質問紙検査を実施した。その結果、うつ、不安などすべての質問紙検査および、実行機能、ワーキングメモリー、反応抑制、精神運動速度に関する認知機能検査でプログラム参加後に改善がみられた。また、うつ病の特徴を考慮した認知リハビリテーションの実践方法についていくつかの示唆が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知リハビリテーションは高次脳機能障害や統合失調症を対象とした介入として発展してきた背景がある。ここ数年でリワークプログラムに取り入れる事例が急速に増えてきたが、具体的な実践方法や効果に関する先行研究は十分とはいえない。そのため、効果の検討はもちろん、うつ病休職者の状態やニーズに合った実践方法を模索することもまた重要であった。実際に、本研究を実施するなかで、参加者の動機づけ維持や、うつ症状の特徴をふまえた作業内容の工夫の必要性など、多くの示唆が得られた。本研究で得られた知見は, うつ病患者の認知機能障害の理解と、うつ病休職者を対象とした認知リハビリテーションの発展の一助となるだろう。
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