研究課題/領域番号 |
19K23386
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 (2021-2022) 高知工科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
仁科 国之 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 助教 (70843233)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 信頼行動 / 互恵性 / 間接互恵性 / 一般的信頼 / 信頼 / MRI / 裏切り嫌悪 / fMRI |
研究開始時の研究の概要 |
信頼行動は人と人を繋ぐ役割を果たしているが、心理メカニズムについては不明な点が多い。従来、報酬予測が、信頼行動の生起に重要であるとされていた。近年、裏切り嫌悪という感情も信頼行動の生起に重要であると主張されている。報酬予測と裏切り嫌悪は信頼行動を抑制しうる要因として考えられているが、行動実験のみでは報酬予測と裏切り嫌悪のどちらか、もしくは両方が信頼行動を抑制しているかどうかを特定できないという問題がある。本研究は、脳神経ネットワークを用いて、裏切り嫌悪と報酬予測のどちらか、もしくは両方が島皮質と相互作用することで信頼行動を抑制しているかどうかを特定することによって、この問題の解決を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、信頼行動の心理メカニズムを解明することを目的とした。研究期間でいくつもの調査を行った結果、信頼行動は自分も相手も信頼したほうが得だから信頼するという直感的なもので行われていないことを明らかにした。さらに、信頼行動を支える心理メカニズムとして、「他人に親切な行いをすれば巡り巡って自分に返ってくる」、「いいことをすればいいことが、わるいことをすればわるいことが返ってくる」といったような個人の信念や規範を持っている人の方がそうでない人よりも他者を信頼することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
信頼は社会を構成する上で重要な役割を果たしてきており、その心理メカニズムを明らかにすることは、人々が住みやすい社会を構築することに繋がる。本研究課題で明らかにした、間接互恵性の信念が高い人ほど他者を信頼するという結果は、人々は直接関わる人だけではなく普段関わりのない人たちも自分の行いを見ているから、普段から他者に親切にすることは大切であると思っていることを示唆している。このような信念を多くの人々が保持しているからこそ、人は他者と関わり合いの中で親切にすることができる。そして、それを多くの人が持つことで社会が形成されるので、信頼を研究することは社会的にも非常に重要である。
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