研究課題
研究活動スタート支援
地域在住高齢者のメンタルヘルス維持・向上に向けて,本研究計画では環境要因が与える影響を検討する。その際,環境要因を物理的・社会的環境がの両面から包括的にとらえ,メンタルヘルス並びに個人の社会的環境に対しる認知の加齢変化を検討することを目的とする。その実現のために,高齢者の認知能力に左右されないGIS解析による物理的環境データと,前期高齢者の9年間の縦断データを用いて検討する。
本研究では,地域在住高齢者のソーシャル・キャピタル(SC)とメンタルヘルスとの関連を検討した.大規模調査のデータを解析して得られた結果は以下のとおりである.1)生活環境と高齢者のメンタルヘルスとの関連は,居住地域の特性や個人の活動能力によって異なる.2)多様な生活環境は加齢によるSCの増大傾向を促進させる.3)社会参加はSCを介して高齢者の主観的幸福感に影響を与える.
本研究の学術的意義や社会的意義は,以下の点が明らかとなったことである.1) 高齢者が暮らしやすいまちづくりを行ううえでは,さまざまな背景要因に配慮すべきである.2) 地域高齢者にとっては,社会参加よりも生活施設の多様性を確保することが重要である.地域の高齢者の生活の質を向上させるうえでは,地縁により醸成されるSCを活用することが有益である.
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