研究課題/領域番号 |
19K23391
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
岸本 励季 愛知大学, 文学部, 研究助教 (30847017)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 協調運動 / 社会的選好 / タイミング制御 / セキセインコ / 協力行動 / ターンテイキング / 個体間相互作用 / セキセイインコ / 発声収斂 / オペラント条件付け / 運動制御 / 役割交替 / リズム創発 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトが二人で交互に運動する課題を行う場合、その運動には自発的にリズムが生じる。このリズムを生み出す心理・生物学的基盤とその機能を探るため、本研究では、動物モデルを用いた実証研究を行う。セキセイインコ2羽を対面させ、交互に運動することが必要な課題を行わせたときに、その相互作用から規則的な時系列パターンが創発されるかを検討する。さらに、そのリズムの創発自体が報酬として機能する可能性、安定したリズムが個体間での親和効果を促進する可能性を一つの実験系で検討する。本研究は、霊長類以外の動物を対象とすることで、協調行動におけるリズム創発現象の生物学的基盤を、俯瞰的に探る実証データを得るものである。
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研究成果の概要 |
ヒトにみられる協調運動を生み出す心理基盤を探るため、セキセイインコを対象に実証研究を行った。2羽のトリが互いのライト・姿が見える状況で課題を行った。点灯したライトはトリがつつくと消灯し、定間隔後に他個体側のライトが点灯する手続きにおいて、交互のつつき運動を観察した。ペアのうち1羽はライト点灯前につついたことから、相手個体の手がかりによって運動すること、参加個体のうち1個体(オス)は選好するメス個体とペアになった際に速くつついたことから、社会的選好が交互運動に影響することが示された。 これらの成果をまとめ国際誌に投稿した。協調運動と関連する視点として協力行動に関する論文を査読付雑誌に刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
協調運動はヒト文化にみられ、社会的関係を促進することから、それらの関連性について多くの議論が交わされてきた。この研究では生物学的基盤に目を向けるべく、セキセインコを対象に協調運動と社会的な要因がそれに及ぼす影響を検討した。トリは相手個体を手がかりに運動を制御すること、選好によってつつきタイミングを調整することが示された。 この研究は実験下で生得的な運動レパートリーに含まれない協調運動を生み出した。このような後天的に獲得される協調運動の萌芽を示す実験系の構築によって、実験下での協調運動を検討する独自性のある手法と示唆が提起された。
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