研究課題/領域番号 |
19K23406
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 (2022) 愛媛大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
加藤 本子 琉球大学, 教育学部, 准教授 (00847593)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 固定点性質 / CAT(0)空間への群作用 / 円の自己同相写像 / Richard Thompsonの群 / Thompson群 / CAT(0)空間 / 円の自己同相群 / 性質FH / 群作用の固定点性質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 幾何学的群論の手法を用い, 単位円の向きを保つ自己同相写像の成す群について, その有限生成無限部分群の構造を研究する. 特に, このような群のうち, Serreの性質FHと呼ばれる群作用の固定点性質を持つものの探索を目的とする. 円の自己同相写像の成す有限生成群のうち, Thompson群と呼ばれる有限表示無限単純群は, 広く研究されている. 本研究ではThompson群とその一般化が性質FHを弱めた性質を持つことに注目し, 円の自己同相写像の成す有限生成群の中でThompson群のある種の一般化として得られるものについて, 性質FH及びそれに関連する性質を研究する.
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研究成果の概要 |
本研究では, 円の自己同相写像のなす群を題材に, 非正曲率距離空間への群作用の固定点性質に関する研究を行った. 本研究では, ring群と呼ばれる群がその交換子部分群の有限生成部分群に対して相対的な固定点性質を持つことを示した. 応用として, Richard Thompson群Tの一般化であるHigman-Thompson群T_nに対して, 被覆次元有限のCAT(0)空間へのsemi-simpleな群作用に対して固定点性質を持つことを示した. 証明の過程で, T_nの新たな有限生成系を構成し, T_nがring群の構造を持つことを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に固定点性質を持つ群の具体例を構成するのは難しいが, Richard Thompson群T, Vはそのような数少ない具体例の一つとして知られている. しかし, T_nが同様の固定点性質を持つかどうかは知られていなかった.本研究では, T_nがring群の構造を持つことを示した. この過程で, T_nの新たな有限生成系を構成した. この生成系は, T_nの自己相似性を反映するという意味で性質の良いものである. さらにそれを用いて, Tに対する証明の一般化の仮定における技術的な困難を回避することに成功した.
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