研究課題/領域番号 |
19K23410
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
|
研究機関 | 静岡大学 (2021-2022) 立命館大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
難波 隆弥 静岡大学, 教育学部, 講師 (20843981)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 被覆グラフ / 中心極限定理 / 重複対数の法則 / Edgeworth展開 / ランダムウォーク / 離散幾何解析 / 半群の収束理論 / 多重ゼータ関数 / ベキ零被覆グラフ / 正値線形作用素 / 拡散近似 / 結晶格子 / 多次元多重オイラー積 / 複合ポアソン分布 / エッジワース展開 / 極限定理 / 確率過程 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では周期性や体積増大度のような幾何学的性質を豊富に有する被覆グラフ上のランダムウォークの極限定理について調べることを目指す。一般にランダムウォークの対称性や確率過程の連続性、被覆変換群の可換性といった良い状況下では確率論、幾何学双方から見て意義のある研究が既に多くある。一方で上記3要素のうちいずれか1つでも欠落すると途端に解析が困難になり、広範な極限定理の世界を覗くことは容易でない。本研究では、「非対称, 不連続, 非可換」をキーワードとし、これらの状況下での極限定理の構築、および極限現象にランダムウォークや被覆グラフの性質が与える影響について, 多角的に研究する。
|
研究成果の概要 |
被覆グラフ等の無限グラフ上のランダムウォークの極限定理に関して、ランダムウォークの非対称性、極限過程の不連続性、底空間の非可換性の3つに焦点を当てて研究を行った。特に、ベキ零群を被覆変換群とするベキ零被覆グラフ上の非対称ランダムウォークに関して、中心極限定理およびその精密化としてのEdgeworth展開を得ることができ、論文が出版された。またランダムウォークの長時間挙動に関わる問題として、Trotterの半群収束定理の精密化や有限グラフ上の熱核に関する話題、Riemannゼータ分布の畳み込みの長時間挙動に関して研究を行い、それぞれにおいて論文の形として世に出すことができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前研究課題並びに本研究課題の中で、ベキ零被覆グラフ上のランダムウォークの極限定理に関して、中心極限定理や大偏差原理、重複大数の法則などの一連の基本的な結果を示すことができた。これらにより、ベキ零の非可換性をもつ設定における極限定理はよく理解されたと言ってよい状況にまで進展した。さらにTrotterの半群収束定理の改良を行ったことにより、半群の収束が現れる様々な局面で新しい数学の発展が見込めるという点で十分意義のある研究ができたと自負している。
|